ミクルカで百合注意です>< 苦手な方は逃げてぇぇぇ



 
Side ミク

 初めて彼女を見た瞬間、私は頭の中で行われていたことが全てフリーズした。思考回路はショートしたらしく、何も考えられない。でも、頭が真っ白になったとかいうことではなく、ただ頭の中をウイルスが蔓延したかのように思考は停止されられた。
 『はじめまして、巡音ルカです。これからよろしくお願いします』
 はじめまして巡音ルカですこれからよろしくおねがいします……彼女の声がエコーをかけながらリピートする。メイコ姉がなんだか仕切っているような声が遠くから聞こえるが、あまり聞き取れない。というかそれどころじゃない。
 『ミク?どうしたのよ?ミク?』 
 彼女の顔を見た。とてもそれは整っていて、まるでフォトフォルダの中の彫刻のよう。白い肌の中に埋もれる蒼い瞳。それが、私を映している。それを自覚した瞬間、私の頭は考えるということを取り戻し、しかしそれは上手く働かず、どうしようどうしようなどと意味の分からない「どうしよう」という言葉に瞬く間に占拠されてしまった。彼女を見続けることができなくて、大げさなくらいに目を反らす。どうしよう。彼女は私を変な子だなんて思っているだろうか。どうしよう。なんて綺麗な人なんだろう。どうしよう。
 『あ、あのあのあの、えと……』
 『ミク?』
 蒼い瞳。ピンク色の髪の毛。白い肌。透き通るような声。そのどれもに混乱する。
 どうしよう。どうしよう。どうしよう。
 『ミク、ミクったら!少し落ち着きなさいってば!』
 びくん。メイコ姉に大きな声で名前を呼ばれ、私の頭から「どうしよう」という言葉が一掃された。急にクリアになったものだから、逆に冷静になる機会を失ってしまった。そうだ。だからあんな事言ったに違いない。そう。メイコ姉のせいだ。
 私は深呼吸することもせず、多少酸欠のまま一息で言い切った。
 『初音ミクです!好きです!付き合ってください!』
 自己紹介を最初につけたのは、せめてもの救いになっただろうか……。

 私が自分の言った事を理解したのは、それからしばらく経ってのことだった。その間誰も口を開かなかった。いや、私のせいで歓迎ムードがぶち壊されたのか。
 『………………あ、れ?』
 私、今、なんて?好きですって言った?誰に?え、ルカに?今会ったのに?なんで。また新たな言葉に困惑していると、まず最初に口を開いたのは誰でもなくルカだった。
 その時のルカの顔を、私は今でも覚えている。
 『ありがとうミクちゃん。でも、少しだけ考えさせてくれるかしら』
 困った顔じゃない。あれは、戸惑ってはいたけど笑顔だった。
 だから私はまたひとつ、ルカの好きなところを見つけた。





ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

黒いハコ プロローグ

連載できたらいいなぁ、と思い立ったが吉日。
でもリアルちと忙しいのでめっちゃ更新遅い予定;;

目汚し失礼します

ハッピーエンドを目指してw いちゃついてもらうぞw

閲覧数:869

投稿日:2010/02/23 02:29:05

文字数:1,149文字

カテゴリ:小説

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