[A1]
中れ落せ 月よ欲しいよ
し慣れ打つ手 火湧くの片リラ


中れ落せ 月よ欲しいよ…月を打ち落とせ、という意味合いです。無理な願い(願掛け)の比喩になります。
し慣れ…やり慣れた、
打つ手…手拍子
火湧く…篝火を焚く
片リラ…火の粉の舞う様



この節は祭りの様子になります。
欲に任せ分不相応な願いを叶えろと訴えている、という解釈でお願いします。





[A2]
早うせ早うせ 祖枯れ負われ
灯せ継がれ うたゆたう


早うせ早うせ…早くしろと急かす様
祖枯れ…造語です。祖=物事の初めといった感じに捉えて下さい。
祖が枯れ=初心(この場合純粋に神を祭る信仰心みたいなものに当たります)が失われるという意味合いです。

灯せ継がれ…年月を経て祭りや神事が受け継がれていく様。
うたゆたう…歌うとたゆたうを合わせた造語です。


欲を貪る事ばかりに夢中で、長い時を受け継がれていく中で徐々に信仰心が失われていくといった意味合いの節です。





留まれど荒れ 詠みやし舞え
化無し見越し 御渡り


留まれど荒れ…欲深い人々の所行に耐えてその場に留まるも心は荒れるばかり、という解釈です。
詠みやし舞え…詠みやし=祝詞を上げる、という様な雰囲気です。舞えと合わせて「祈りを捧げる」という様な解釈になります。
化無し…「悲しい」と掛けてありますが、化=変化という意味合いで。化無し=変化なし、変らない
見越し…そのまま見越すという意味です。
御渡り=渡御のことです。ご神体が聖地へ向かうといったような意味合いがあります。「終わったり」とも掛けてあります


耐えて祈りを捧げても現状が変わる見込みの無いことを見越して失望し、現世を捨て新しい世界へ向かおうか、という様な心情です。





[B]
無くならな嫌 止せて 偲ぶ僧は
埋めるわ忌 背を向け左様なら あとは成るべき世に



無くならな嫌 止せて 偲ぶ僧は…無くならない、嫌、止せて(止して)、は現状に対しての取留めのない、負の感情といった雰囲気です。
偲ぶ僧=偲ぶ、は思いを馳せるという意味合いで。僧は宗教に携る人々の総称的のような、広い意味合いで言葉を当てています。
この歌詞の中では神事や祭りを行っている人々を指します。
埋めるわ忌…忌しい気持ち(失望してしまった自身の感情)を埋める。負の感情を棄て去るといった解釈になります。
背を向け左様なら あとは成るべき世に…さようなら、あとはどうにでもなれ、というニュアンスです。去った後の事は知らない、といった感じで。


自身を求める人々に対して抱いてしまう忌わしい感情は捨て去り、この世界を去る決意を固めた、という様な解釈でお願いします。





[サビ]
空けゆくやこの身果て 劣る酔うな 棄て畏怖へ
終ぞ見ぬ獄楽へ 伸ばす手を鳴ら仕手
采 宵やさ(ハイ)


空けゆくやこの身果て…この身を捨てて離脱をはかる、という雰囲気です。身果て=捨てさった身が消えていく様な意味合いなります。
劣る酔うな 棄て畏怖へ…「踊るような ステップで」と言葉のニュアンスを似せてありますが、少々強引過ぎました…。
畏怖=おそれる、といった意味なので「人のおそれる様な手の届かない場所へ」といった解釈です。
終ぞ見ぬ獄楽へ 伸ばす手を鳴ら仕手…見た事もない様な新しい世界へ伸ばした手を鳴らす、という解釈でお願いします。
仕手=能や狂言でいう所の主役・中心という意味になります。通常はカナ表記だそうですが…。


この身を捨てて新しい世界へと向かう事への希望というか、若干陶酔めいた様子を書いた節です。
宵やさ、は「この夜にこそ」という雰囲気です。





[A2-2]
掬び咲かれ 見える刃得る
語り接がれ る足る足る



掬び咲かれ…掬び=水を飲むという意味がありますが、神事的な行為という解釈でお願いします。咲かれ、はそのまま「咲く」という意味です。字数の関係上咲かれと書いています。
見える刃得る…見える=精神的な意味で視界が開ける、という解釈で。刃得る=刃を得る、力を得るというニュアンスです。
語り接がれ る足る足る…語り接がれる、と足る(満たされる、満足する)を合わせています。重ねる事で充分に満たされている様子を強調しています。


神事を行い力を得る(恩恵を受ける)人々が自分(神)を語り継ぐ事で心は満たされていた、という節です。
過去のいわば祭りの始まりの頃を回想する様な感じです。あの頃は良かった…という様な。





誉れ問われ 黄泉や島へ
神楽かぐわ しく如く


誉れ問われ 黄泉や島へ…誉れを問われる=自身の在り方を問われる、という感じです。神事にて人々と向き合う事で、この世界での在り方を確認すると言う様な解釈で。
黄泉や島へとは、彼岸此岸を行き来する様です。
神楽かぐわ しく如く…神楽はそのまま、神事等の舞いという意味で使っています。かぐわしく如く=馨しく匂い立つ如く、という意味合いです。


俗世と神域を行き来しながら自身の在り方を問い、只管に役目を全うする様子です。
上の節と同じく、過去を回想する様な意味の節です。こちらは上の節に比べて抽象的ですが…。





[B-2]
恋しく鳴る矢 そばへ 菖蒲そうな
嘆き駆る魔 蹴る尾と巣潰せ あとは在るべき世に 



恋しく鳴る矢…神事の際に射る矢の音も今は懐かしく恋しい…という解釈でお願いします。
そばへ…戯える(じゃれつく)という意味合いです。傍へ(寄る)という意味とも捉えられる様に「え」ではなく「へ」を当てています。
菖蒲そうな…殺めそうな、という言葉に別の字を当てています。そのままでは使うのが躊躇われたので…。
嘆き駆る魔…カルマ(業)に別の字を当てています。魔を駆る=理性なく暴走してしまう様というような解釈で、その様を嘆くという意味になります。
蹴る尾と巣潰せ…蹴る、落とす、潰せ、です。尾と巣を潰すという字を当てているのは比喩です。尾も巣も動物には大切なので…。
あとは在るべき世に…あとは自分の在るべき世(新しい世界)へ向かう、という雰囲気です。
 

(神事の際の)矢を射る音も悲しく響き、欲を満たす為に自身を求める人々に対して殺めてしまいそうな程の感情を抱いて嘆く。
それならば全てを振り切って自分の在るべき場所へ行こう、といったニュアンスです。
Bよりも若干感情的になってます。





[サビ-2]
融けいく羽頃も爆ぜ 透いて透る 苦痛を吐き
追追えぬ獄楽へ 足を砂漠 永久に
采 好い夜さ(ハイ)



融けいく羽頃も爆ぜ…羽が融けるというのは比喩で、今迄の自分が消えていくという解釈です。爆ぜるも同じく消えていくといった意味合いです。
サビ-1の最初と同じく離脱をはかる様をイメージしています。
透いて透る 苦痛を吐き…透いて透るはそのまま透き通るようなという意味です。苦痛を吐き、は心の内の澱を吐き出すというような解釈で。
追追えぬ…造語です。追いかける事は出来ない、追いつけないという様な意味を強調する為に追の字を重ねています。
足を砂漠…砂漠は捌くと掛けています。砂漠=人の力の及ばない地と言う解釈でお願いします。
永久に…そのまま戻らないという意味です。



サビ-1と同じく、どこか陶酔した様子で世界を去る様子を書いた節です。
好い夜さ、の部分はそのまま「好い夜だ」という意味です。





[B]から[ラスサビ]は以上の解釈の繰り返しです。

ラスサビ中の「笑み逝くわ去らばこの世へと 流る奉り唄よ」の節は

未だ神を奉ろうとする人々の唄を背に、開放されることへの喜びと躊躇わずに去ろうとする様子です。
若干皮肉のような雰囲気もあります。

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【歌詞募集】和風ロック(仮)【初音ミクオリジナル】8/31〆 / 零ぼーん
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投稿日:2012/09/17 00:10:59

文字数:3,202文字

カテゴリ:歌詞

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