引っ張り出した引き出しの
セピアは手垢にまみれてて
切れたリボンも紙屑だって
残らず集めたあの頃


はじめの私は幼くチビで
見るものすべて、ファンタジー
手当たり次第にとびこんでは
集めた宝にご満悦

けれど二度見る世界の中身は
意味もないほどつまらなく
わくてか爛々輝いたのは
いつも「初めて」だったんだ

折れて小さなクレパスで描く
固く分厚い航海図
マムのリップを真似て示した
宝の在りかはアルバムの中


三日月が下りる時刻を狙って
余る手と足、忍ばせた
タンスの奥底不思議の入り口
今にはじまる物語

「四月馬鹿だよ本気かよ」って
つむじを小突いた兄の言葉に
リアルを捨てるこどもの決意は
萎む焼菓子そっくりだ

慣れて見飽きたレシピのマジカル
丸め擦りきれ棚の奥
ママゴトばっか積み木を組んだ
甘いお城の魔法は崩れた


引っ張り出した思い出の中身
終わることない昼下がり
乳房を離れ風を受けに行く
そんな小さな私

引っ張り出したアルバムはセピア
手垢まみれのロジャーちゃん
世界のすべてを鞄につめてた
そんな小さなあたし

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

ナルコレプシー

素直に夢が見られなくなった、それだけのお話。

閲覧数:155

投稿日:2013/04/23 18:19:59

文字数:471文字

カテゴリ:歌詞

オススメ作品

クリップボードにコピーしました