--- if… 人魚姫 ---

夜空に輝く月灯り浴びて
岩場に一人佇み星空を見上げる影一つ

愛しい想いでその身を焦がしながら
打ちい寄せる波の音を背に切ないその想いを綴る声

恋した王子にもう一度会いたくて
その声と引き換えにして人間の姿で会いに行く
王子の影には浜辺で見た少女
声を失くした人魚には真実を伝える術は無い

王子の胸にナイフを突き立てて
呪いが解ければ帰れるけれど
恋した人の命奪える訳無く
痛めた心で呪いをその身に受ける

生きる世界の違う王子に
恋を奏でた哀れな人魚姫
星の瞬く夜空へ両手を翳し
歌う声無き願いを乞う人魚姫

　
生まれ変われる事が出来るならば貴方と寄り添い逢える世界へ
空を見上げ星空へと願う何時の日か貴方と共に・・・

月の光星の瞬き消えて行く人魚の姿を送る
沖へと運ぶ波の音を聞きながら静かな眠りの世界へ堕ちてゆく・・・

輝く水面にその身を委ね泡に包まれ漂う人魚姫
波に揺られて全ての綴りは終わる

　
ゆらりゆらり揺れて涙溢れ出したら
波が浚い海の底へ泡になり弾けて消える
夜空の星の記憶を辿り何時の日か貴方の元へ
絶えず流れる時を超えてまた廻り合いましょう
何時か生まれ変わり何処かで巡り逢いましょう