シトロウイユの夜半

巻き戻る光の奥で貴方をいつも見ていた
薄暗い窓辺に積まれた
これは確か終わりの無い物語

足音ひとつも聞こえない影に溶けて揺れていた
仄明かりを頼りに行く
誰も気づかないまま

毛糸の梯子を垂らして
案山子は待ちぼうける夕暮れ
空の席に着くのはだれ
ひとりでに椅子がさがる

何処にも帰れないなら
睡る星月に隠れて
虚ろな頭を灯して
明けない夜半と踊ろう
寂しさを頬張って
永遠を転がして
舐め終わるまで傍に居て
噛み砕いて壊さないように
夢が消えてしまわぬように

後ろ手に握りしめた
大人の目を誤魔化して
生き急ぐ時計の短針を
外して夜を続けよう

オレンジ色の偏執病
黒く塗りつぶした眸子に
貴方の身体の半透明を
透けた眩しさを焚べる

伽藍伽藍と鳴き喚く
ばらんばらんの骸骨が
足らん足らんとせがんだ
あの子の声
最後の晩餐会
路上の音楽隊
もういいかいもういいかい
冗談じゃない ああ ああ

魔法にかかったように
繰り返し歌うトラジェディ
迷いこんだ悲しみだけ
よく噛んで味わおう
作り変わったランタンの下でずっと
同じページをなぞっていた
ららららら
(触れられたならどれほどいいだろう
分かたれてしまったこの世界で)

何処にも帰れないから
微睡んだ街を汚して
虚ろな頭で訝しんだ
夜半をもう一度
寂しさを頬張って
永遠を転がして
舐め終わるまで傍に居て
噛み砕いて飲み込まないように
夢を壊してしまわぬように

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
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シトロウイユの夜半 歌詞

閲覧数:63

投稿日:2022/11/27 18:08:55

文字数:627文字

カテゴリ:歌詞

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