歪んだ檻に鍵をかけて

私は唄う

私の手足はひどく爛れて

もう誰にも愛されることはない

それでも

愚かでも

醜くても

この声だけは私の誇り

唄う歌う

どうかあなたに届きますように

あなたの力になれますように

やがて

あなたがやってきた

こないで

コナイデ

見ないで

ミナイデ

愚かな私を

醜い私を

あなたにだけは知られたくなかった

あなたにだけは綺麗な私のままで

近づくあなたを前に

私は

最後の誇りを

自分の手で潰した

薄れる意識の中にあなたがいる

乾いた唇にあなたが触れて

私の声は吸い込まれる

ああ

やっと








あなたに届いた

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

歌姫と兵士

あるお題をテーマに詩を書く活動で書いたもの。
お題は「歌」。
この詩を書いたときは歌姫と兵士は幼馴染で、歌姫の声に力があるために幽閉されてしまう物語をイメージしていました。
戦争のさなか、姫の体は醜く焼け爛れてしまうのですが、声帯だけは無事だったため、姿を隠されてまで国に利用されてしまいます。
それでもたった一人の大切な人の無事を祈って歌い続けるお姫様の切なくも哀しい心が伝わると幸いです。

もっと見る

閲覧数:43

投稿日:2009/05/08 22:42:46

文字数:330文字

カテゴリ:歌詞

オススメ作品

クリップボードにコピーしました