囚われの姫君へと堕ちた私は、
真っ暗闇な時間(牢獄)の中で罪を償う。
綺麗なドレスと亜麻色の髪を失って。
初めから、全てをやり直すことなんて出来ないと解っているのに。
静寂に耽り、貴方を想う。
震えた指先が掴んだ虚無。
懺悔という泥沼の中を、罪悪感という足枷を嵌めて行く。
喜劇を望むことなんて許されなくて、悲劇さえ訪れない。
彷徨うアリス。毒林檎を食べた白雪姫。野獣に囚われた美女。
私には、どれがお似合いなのかしら?
太陽は、もう私の前には現れてはくれない。
満月も、もう私の後ろで鏤められはしない。
懺悔の祈りを捧ぐたびに、貴方の傷が視える。
今更だと罵っているの?
過去の罪に縛られたままのこの私を。
きっと、貴方はそんなこととっくに忘れ去って、
煌めきと輝きの中心でその優しさを与えているのでしょうね。
淡彩と極彩の世界の狭間に漂って、私の心はもう、昔の明るみには戻れない。
凍えた手を組み合わせる。何者も通さぬ闇が、私と世界に絶域を創った―――
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