密室の部屋の中。
俺とあいつはテーブルを挟んで座っている。
あいつの手には、6連装のレボルバー式拳銃。
「な、なんだよ。何するんだよ・・・」
あいつはニヤッと笑っていった。
「ロシアンルーレットをしましょう」
「え?」
ロシアンルーレットってあの負けたら死ぬゲームか・・・。
「あなたのクズな所が気に食わないのよ!!優柔不断で・・・。あなたの気持ちが分からない!!!」
「・・・・・・」
あいつと俺は上手くいってると思っていた。
あいつも別に文句言わなかったし、俺も別に文句があるわけでも無かった。
「じゃあ、私から・・・」
あいつは撃鉄を起こし、拳銃を頭に着け、引き金を引く。
カチャ、という音がした。弾は入ってなかったらしい。
「はい・・・」
あいつから拳銃が手渡される。
鉄製のそれは凄まじく重い。
「私と趣味どちらが大事?」
「もちろんお前だよ」
「・・・また嘘ついた」
あいつは不機嫌そうに俺を見る。
「わかったよ、やればいいんだろう」
そう言って、俺は頭の横に拳銃を着けて引き金を引いた。
カチャ、という音がしてレボルバーが1つ回る。
「・・・浮気でもしてたんじゃないの?今まで・・・」
「し、してないぞそんなの」
あいつに拳銃を差し出しながら、言った。
・・・あと4発中に弾が入ってる訳か・・・。
負けるとどちらかが死ぬ。
あいつはそれを分かっているのか・・・?
「どうしてあなた生きてるの?何も考えてないクズのくせに!!」
「・・・・・・」
あいつはまた引き金を引く。
カチャ、という音がする。また弾は入って無かった。
あいつが拳銃を渡してくる。
「・・・どうしてこんなことしなくちゃいけないんだ?」
「・・・あなたの存在が邪魔なの!!」
あいつの言ってることがよく分からない。
俺は渋々引き金を引く。
カチャ、という音がする。弾は入ってない。
この感覚に慣れていく。なんかおかしい。
・・・残りは3発。
「こうなったのもすべてあなたの責任です」
あいつが拳銃の引き金を引く。
カチャ、という音と共になんとも言えない緊張感が漂う。
次に俺が死ななきゃ、あいつが死ぬ。
「・・・分かった・・・もう覚悟してる」
「あなたの覚悟受け入れるわ・・・」
俺は笑顔で言った。
そしてゆっくり目を閉じる・・・。
あいつとの思い出が蘇ってくる。
出会いから今の状況まで全て。
よく考えれば俺が悪いのかもしれない・・・。
あいつを大切にできなかった事も、浮気をしてしまった事も全て俺のせいだ。
俺が死ねば、全て終わる問題なのだ。
俺は緊張して冷や汗をかいた右手で引き金を引く・・・。
一瞬意識が飛んだのは、極度の緊張からだった。
「俺、生きてるのか・・・」
・・・ということは。
あいつは笑顔を浮かべた。
「こんな展開望んでなかったのにね・・・」
さらに切なそうに続ける。
「今まで思い出をありがとう」
そして、拳銃を頭に着けて。
「それじゃまた来世で、死ね」
爆音というのは一瞬だった。
俺は彼女の屍を見下ろして・・・。
「ふ、ふふふふふ、はははははは」
こうやって、ただただ笑うだけだった。
ロシアンルーレット
オワタP様の物騒な1曲を二次創作小説にしました。
ギャンブルってのは怖いですね。しかもロシアンルーレットというのは命を賭けてやるギャンブルなんですから尚更です。
賞金はすごいらしいですけどね。
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