最後の抵抗を終えた翼は 卵が割れる様に夜の底へと落ちた
剥がれた体の熱も 周りの悲鳴も
みんな他人事で もう忘れているのに
こちらを見た あなたの瞳の色だけがこの目に感染って 離れない
透明な生地に色をつけて 暗い影に居場所を与えて
失くした意味も思い出した
こんなものが欲しかったんじゃないよ

暗転する世界に縛られ続けて
掴んだ光は矢庭に消えてく
どこまでも続く呪いのようなこの存在に意味はあるのか?



記憶の証明を求め歩いた 柩の外側で孤独に沈みながら
当てはめる途中式に 見つけた値は
暗闇の奥で静かに振り向いて
こちらを見た あなたの瞳の色だけがこの目を捕らえて 離さない
あなたは「誰?」と僕に尋ね 僕は「僕」だと応えるけれど
答えた体はどちらのもの?
-1とiで余る数は何だ?

最初から無くなるものだと解った
それでも存在に理由を求めた
誰かに捧げる最期ならこんな答えは上出来だろうか?



微睡む魂が目覚める刹那
瞼の裏側で君は別れを告げ
踏み出した細い足も 微かな数字も
僕に預けたら どこかへ消えていた

黄昏ゆく 紫黒の夕暮れ 懐かしい星たちの輝き
その中に
君の姿が見えた気がした
その色はまだ覚えてるから
光を目指して走り出した
ねえ見えるかな? 僕もここにいるよ

暗転する世界が朝を忘れても
帳を剥がして夜を越えてゆけ
モノクロの日々に祈りを込めたこのピアノよ光を放て
完全たる世界を否定し続けて
厭世する未来も全部焼き捨てて
どこまでも歌い続けよう 君にこの声が届きますように





さいごのていこうをおえたつばさは たまごがわれるよに よるのそこへとおちた
はがれたからだのねつも まわりのひめいも
みんなひとごとで もうわすれているのに
こちらをみた あなたのひとみのいろだけがこのめにうつうて はなれない
とうめいなきじにいろをつけて くらいかげにいばしょをあたえて
なくしたいみも おもいだした
こんなものがほしかったんじゃないよ

あ(ん)て(ん)するせかいにしばられつづけて
つかんだひかりはやにわにきえてく
どこまでもつづくのろいのようなこのいのちにいみはあるのか?



きおくのしょうめいをもとめあるいた ひつぎのそとがわでこどくにしずみながら
あてはめるとちゅうしきにみつけたあたいは
くらやみのおくでしずかにふりむいて
こちらをみたあなたのひとみの いろだけがこのめをとらえて はなさない
あなたはだあれとぼくにたずね ぼくはぼくだとこたえるけれど
こたえたからだはどちらのもの?
いちといちであまるかずはなんだ?

さいしょからなくなるものだとわかあた
それでもそんざいにりゆうをもとめた
だれかにささげるさいごなら こんなこたえはじょうできだろうか



まどろむたましいがめざめるせつな
まぶたのうらがわできみはわかれをつげ
ふみだしたほそいあしも かすかなすうじも
ぼくにあずけたらどこかへきえていた

たそがれゆく しこくのゆうぐれ なつかしいほしたちのかがやき
そのなかに
きみのすがたがみえたきがした
そのいろはまだおぼえてるから
ひかりをめざしてはしりだした
ね(え)みえるかな? ぼくもここにいるよ

あ(ん)て(ん)するせかいがあさをわすれても
とばりをはがしてよるをこえてゆけ
ものくろのひびにいのりをこめたこのぴあのよひかりをはなて
か(ん)ぜ(ん)たるせかいをひていしつづけて
え(ん)せ(い)するみらいもぜんぶやきすてて
どこまでもうたいつづけよう きみにこのこえがとどきますように

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

玉響インフェクション

幽霊と虚数、
一瞬の感染。

周水音贄さんの作品に宛てて歌詞を書かせていただきました。
https://piapro.jp/t/RXFY

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投稿日:2020/11/27 23:55:03

文字数:1,488文字

カテゴリ:歌詞

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