「愛されてたのは君じゃなくて僕自身さ」
君は出来損ない。屑、塵。
ね、君はそんな不良品だからさ、僕が導いて、ひざまづかせてあげようね。
紅い錆びた空に。

  君は、ペテン師って知ってるかい。まあ簡単に言っちゃえば詐欺師の事ね。嫌われてるのさ。
はじめて僕が君の前に立ったとき、君はとても嫌そうな顔をしたよね。詐欺師は人を騙す悪い人って言う固定観念があるんだからだろうけどね。

ところでさ、死にたがってるピエロってマヌケな顔してるよねえ。殺してほしいなら、死にたいのなら、少しは見れる顔にしなきゃダメなのにさ。
ほら、朝が来るよ。
逃げなくちゃ。

「騙され上手は床上手」
これほんと正解だと思うよ。
だってこれまで僕が騙してきた人、大概こんなかんじだもん。普通の人なら滅多に騙されないの。
騙されて嘆き悲しんでる人。ふふ、見ててとっても可笑しい。
「他人の不幸は蜜の味」これも正解だよね。

上っ面はお上品な貴婦人サマでも一皮剥いちゃえば唯の雌。
ああほんと、世の中には騙されてくれる人がいっぱいいるから助かるよ!
渡る世間は馬鹿ばかり。


僕らが笑う頃に、不幸自慢で涙を流してる人がいるんだろうね。
それに涙する善人さんも結構な人害だよねぇ。
都会に咲く花みたいに清く正しく、って言われるけどそんなの気づかなければ無意味だよ。
明後日の今頃には君の醜い身体を忘れてしまいたいの。




君は殺人事件のニュースを見て、いつもビクビクしてたよね。
たかがブラウン管越しの死体なのにさ。ああいうのはリアリティに欠ける。
そんなに怖いなら念仏でも唱えてりゃいいのに。
南無阿弥陀仏。

幸せを運ぶ青い鳥、君は信じるかい?
僕は信じないさ。ただの鳥だから、飛べなきゃ何の意味も無い、ゴミだから。
さあ騙しあい、騙しあい!
アホ同士で笑いましょ!


ペテン師が笑う頃に
君の薄っぺらいプライドを聞かせて欲しいな
テレビで見た新興宗教の教祖様、がなっちゃって、ああ酷い!なんて醜態。

君はいつも流行りのラブソングを聞いてたよね。
僕からしたらそんなの退屈すぎて欠伸が出ちゃうけど。
もっとこう、漫画みたいな愛を探すより、もっと大事なこと、
あると思うんだけどなぁ・・・。



眠れない時に羊を数えること、あるよね?
その数えてる人が眠っちゃったあと、その羊たちはどうなると思う?
僕はさ、羊たちは眠ることもできずにその人の頭の上を廻ってるんじゃないかなあ、って思ってるよ。
その羊たちは何時まで何処まで迷子なら救われるのかな。

もっと愛せ強くしゃぶれ骨の髄まで



ペテン師が笑う頃に
安い不幸で涙させよう
それに涙する善人さんがいるからこの世は成り立つのかもね
都会に咲く花みたいに、清く正しく生きてたら5分もすれば忘れられそうじゃない?
明後日の今頃には君のその醜い身体を忘れてしまいたい。


さあ、ここまで僕の言ってることを聞いてくれた
敬意ある君にこの言葉贈ろう。













「死ね。」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

ペテン師が笑う頃に

閲覧数:129

投稿日:2011/12/03 22:55:45

文字数:1,262文字

カテゴリ:小説

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