私の心(もと)になかったものを取り戻してくれたのは、あなた達だった。
「ピピピピ ピピピピ」
「あ~うるさいなぁ…」
『今日』がまた始まった。
「ミクーご飯だよー」
「はぁーい!」
タッタッタッタ
「おはよう!」
「「おはよう」」
「ミク、あのさ…」
「ん?何?お母さん」
「あっいや、何でもない」
「変なのー。あっ、今日日直だった!行ってきますー!」
「「行ってらっしゃい!」」
ザッ
「ミク姉!待ってたよ!」
「え?リンとレンじゃん!」
「どこ行くの?」
「学校だけど?二人もでしょ?」
「んじゃっサボりってことでー♪」
「っはぁ!?ムリだよー!」
「いいからいいからー」
「はぁ…」
この子達は一度言ったら実行するまでやめない。
そう、これが運命《はじまり》
私達三人は、近くの公園に来た。
「それで、何なの?」
「今日、ミク姉の誕生日でしょ?」
「そうだけど?」
「今から僕らがプレゼント用意するよ」
「ミク姉、何がいい?ホントにほしいものは?」
「絶対にプレゼントできないよ?私のほしいものは」
「「え?」」
だって…
「私はね?過去の記憶がほしいの。実は、14までの記憶が…なくて」
「じゃあ、楽しみにしてちょっと待ってね。お姉ちゃん」
「え?じゃあ本当に…?」
「もっちろん!!」
でも、記憶なんて取り戻せるの?
――その時は知らなかった
最期の悲しみなんて…。
三人の不幸なんて…。
さっきからリンとレンは二人で話している。
時々どこかに電話をかけたりしながら。
「よし!お姉ちゃん、行くよ!」
「どこ?」
「ルカっていう魔法使いの家だよ」
「魔法?そんなのあるの?
「うん!」
そのまま歩いて数分後、ルカの家についた。
「ルカー!来たよー!」
「もうできるわよ」
「ナイス!ルカ仕事が早いね!」
ルカ、すごくキレイな髪の色だな…
「じゃあミク、ここに立って」
「あ、はい」
「準備と覚悟はいいかしら?」
「はいー」
「スドモリトヲクオキノクミ」
そのまま落ちて落ちて、私の意識は消えた。
次に目覚めたのはいつ?
ここはどこ?
見たことはある。来たことも
でも何か足りない。
そう、私が今住んでるとこだ!
…てことは、ここは過去?
自分で見つけるしかないの?
暇だから散歩をしていると、おばあさんに会った。
あっ、この人私の家の近所の人だ!
でも、声をかけても振り向きはしないし、返事もない。
相手から私は見えないのかな?
他の人はいないかと歩いていた。
そしたら、甲高い赤ちゃんの泣き声とそれをなだめるお母さんの声がした。
途端、頭痛が走って…私はそのまま意識を失った。
目が覚めた。なんとそこは一年後の世界だった。
なぜ一年かというと…勘でしかないが。
「昨日の親子はっ?!」
ちゃんといた。今日があの子の誕生日なんだ。
楽しそうだな…。
今日は、頭痛が私を襲うことはなかった。
私は安心して眠った。
次の日もまた次の日も同じことが起きた。
あの家族に変化が訪れたのは十三年後のことだった。
その日も、家族でお祝いをしていた。
その後、三人は出かけ事故にあった。
車が突っ込み、三人は真っ逆さまに海に落ちた。
頭痛がひどくなる。
本当は分かっていたんだ。
この三人の正体に…。
次の日、次の年
あの子は病院のベッドの上におた。
両親は即死、あの子はまだ目が覚めない。
だけど、私には分かってる。
今日この子の目が覚めることを。
私が起きてから三十分。あの子が起きた。
「自分の名前、分かる?」
「いいえ」
ほら、私の勘はよく当たる。
あぁ私が見えるんだね。
「私、あなたを知ってるよ」
「私も。だって…」
「「私はあなただから」」
「今のミクに会ったら、消えなきゃなの」
ボソッと呟いた。と、同時に二人の体が透けてきた。
私たちは、泣いていた…。
「リ………ン?」
「ミク姉!おかえり!」
「ミク、ありがあなたの過去よ」
あそこにいたミクが私なら、両親は事故死…。
「ミク!! 」
聞こえてきた声は、私の両親?
「もう、終わったのね。…ミク、私達はあなたの叔父と叔母よ。お姉ちゃん達が死んだ時、私も悲しかった。だからミクだけは幸せにしてあげようって思ったの」
「いつかはお前に真実を話さないといけなかった」
「だからー私達は、『スドモリトヲクオキノクミ』を作ったの」
「ねぇ、それなに?」
「逆から読んで?」
「あっ!ミクの記憶を取り戻す!」
「戻せたよね?お姉ちゃん?」
「う…ん」
そう答えたら、十三年間の思い出で涙が出た。
「ミク姉」「お姉ちゃん」「「「ミク」」」
「「「「「誕生日おめでとう!いつまでも、この先も、ずっと味方だから!」」」」」
また泣いた。
「もぅ、もんなどれだけ私を泣かせるの?」
ありがとう、みんな!
最高の誕生日!!
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