1
黒影森の真ん中に 雪降り頻る国がある

太古から続く冬の国 王子は優しく綺麗な 青の君

其処は冬しかない世界 城門は凍てつき目覚めは来ない

触れたものが凍りつく 王の力を受け継ぐ冬の精

いつしか城も凍りつき 扉の向こうで一人きり

国の民から恐れられ 彼の心も段々と冷たく硬く閉ざされたという


2
ある真っ白な月の夜 四季を渡る鳥が来た

口には薄紅色の便箋に 萌葱の封蝋 溶けた水香

雪解け水の恵み受け 命が息吹く春の国の紋

差出人を一目見て 氷の瞳が優しく溶ける

されども触れば氷りつく 手紙を抱いて一人泣く

受け継ぐ力に抗えず 彼の心は易々と脆く儚く崩されたという


3
優しい王子を知っている 黒影森の小さな囁き

”ー眠りを統べる季節の王子、 
           姫への愛を形にして贈りましょうー”

スルリと城に滑り込み  凍てつく扉に向かって歌う

春の国との境目に 慎ましく咲く一輪の薔薇

王子の指先触れたなら 永久に溶けぬ愛へと変わる

受け継ぐ力に抗わず 優しい冬を統べる為、彼は希望を取り戻す 




黒影森の南側 緑咽返る国がある

太古から続く春の国 王女は眩しく可憐な 碧の姫

冬の噂に胸痛め かわらぬ愛の言葉を紡ぎ封をする
          
渡り鳥が届けた想い 溶けぬ薔薇を受け取り再び春へ 

氷の花弁から伝う音 王子の清冽なパルファム

紡がれる氷のメロディ 暗く冷たいお城から次の季節へ巡る歌


黒影森の真ん中に 雪降り頻る国がある

太古から続く冬の国 王子は優しく綺麗な 青の君

其処は冬しかない世界 永遠の冬を司る眠りの地

王子は玉座へ静かに座り 冬から春へ

    恵みの種(歌)を贈り伝え続けたという

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

KAITO【冬の国の氷王子】

め る へ ん あ い す(@ω@;)
そっとアドバイスを頂いたり、応援して頂いて少し長くなりました

閲覧数:219

投稿日:2009/05/24 14:13:38

文字数:748文字

カテゴリ:歌詞

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