君と出会ったことを後悔だというのなら
そんな世界なんて要らない
終わりの中で残して置きたい言葉がある
そんな幸せをずっと望みたい

　　（世界を統べる大魔女はそれゆえに
　　世界の為に終わりを迎えることになりました
　　世界を統べた王様が最後に彼女に贈ったのは
　　　それはそれは…たくさんの、たからもの）

欲しいものは何でもあった　ご馳走　金銀　そして、勇者様
欲しいものは何もなかった　ただ終わりだけを見つめた

初めて人と暮らしてみた　景色に特に変わりはない
初めて人に触れたみたい　目の錯覚と思いこんだ

君と出会ったことに後悔できたとするなら
こんな世界も悪くない
終わりの中でそっと思い浮かべたいこと
なぜか小さな影　心を過ぎった

　　（世界を統べる大魔女はそれゆえに
　　心を統べる術を知りませんでした
　　世界を統べた彼女の元に最後に残ったのは
　　　たった一人の、ゆうしゃさま）

欲しいものは何でもあった　名声　力　そして、ひとりぼっち
欲しいものはもう一つだけ　変わることのない気持ちだけ

初めて欲しいものが出来た　手を伸ばしたら掴めそう
もう手遅れとわかっていた　目の錯覚だと思い込む

君が出会ったことを後悔だと思うなら
こんな心なんて要らない
終わりの時を恐怖してしまうその前に
早く君を放してしまうべきだった

　　（世界を統べる大魔女はそれゆえに
　　己を“私”とする術を知りませんでした
　　世界を統べた大魔女が最後に手にしたのは
　　　淡く輝く…ちいさな、宝物）

初めて君の心を見た　歪む雨雲と落ちる雨
初めて涙を流す気がした
初めて息をした気がした

君と出会ったことを後悔だというのなら
こんな心なんて要らない
君が出会ったことを後悔しないのならば
そんな幸せなことはないだろう

君と出会ったことに後悔できないのなら
そんな自分も悪くない
終わりの中でそっと遺していきたい言葉

私は君の事が大好きです