『0と1』
(1)
螺旋状に絡み合った現実(リアル)と空想(アイディアル)とに
挟まれて揺られる世界
思考回路より電子回路が優る と
教えられたプロパガンダ 染まっていく街並みで
理想も幻想も同じ言葉と捉えてしまうんだ
現実も
ヒトには 同じモノなのかな?
無(ゼロ)と有(いち)の境目に独り立ち竦みながら
水泡(みなわ)のように浮かんでは消える取留めもない思考に意味付けて
タイセツ な モノ
だと云って必死に抱えているけど
「本当に大切なの?」って
言われると 途端に分からなくなるんだ
紛い物(オモチャ)を棄てれば
本物(タカラモノ)は
どれくらい残っているのかな?
聳える虚構の街に惑わされて
融け合う理想(ビジョン)と幻想(イリュージョン)とが
違う と 解ってるのに線引きも出来ずに
蝶の様に彷徨ってた
(2)
白と黒が混ざり合ったマーブル模様の街から
踏み出す事も戻る事も出来る筈なのに灰色(グレイ)で佇んで
ああ
点滅する信号機に ただ 従って流れる
まるでブリキの玩具だね
冷たい歯車仕掛けのオートマタ
カレードスコープの中のような
精巧のようで歪な模造品(イミテーション)と複製品(レプリカ)に
囲まれた箱庭(セカイ)のボクら
視界閉ざされ見えなくなるアイデンティティ
自分自身の輪郭も 歪み 判らない
だから
耳を塞いで訪い掛ける
「ココにいるボクは“真実(ホントウ)”なの?」
それとも――――
鏡を砕けば
その向こうに
“セカイ”の実体は見えるかな?
カタチの無い“何か”が欲しいと願って
蒼い 空の華に手を伸ばして
頬を掠めた追い風も 街を照らした夜明けの光も
見なかった
誰かが云った科白(コトバ)を鵜呑みにして
透明な線路の上を歩く
ボクらは何処に向かって進んでいるんだろう?
疑問符を鍵へと変えて
マーブル模様の世界を切り裂いて
絡まる嘘と真を解いて
曖昧な浮世(ふせい)に終止符(ピリオド)を打って駆ける
立ち並ぶ虚像を背にして
「0と1」
戸倉夏樹さんの楽曲「0と1」(http://piapro.jp/content/81eyn4uwjuurqri2)に歌詞を付けさせて頂きました。
歌詞でこれだけ文字書いたの初めて…!
前のバージョンは1行2小節の譜割り版です。ご参考までに。
嘘と真実、幻想と現実。それらが絡まり合った曖昧な世界からの脱却、というのが主軸です。多分。
その為の手段として、アイデンティティ、というものを盛り込んでみた構成。
以下少し捕捉をするならば、
「蝶」は蝶その物というより、「胡蝶之夢(現実と夢の区別がつかないこと、とか)」のニュアンス。
「カレードスコープ」は言うまでもなく万華鏡ですが、a kaleidoscopeで「絶えず変化するもの」。今作は此方の意味合いも多分に含んでます。「鏡」に繋げてます。
「蒼い 空の華」には2つの意味を含めていて。ひとつは「青い花」、もう一つは、「空華(実体の無い存在を実体があるかのように誤ること)」。
他は……ない、ですね。多分。
普段殆どこういう捕捉はしませんが、意外と多かったりします^^;
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