気がつくと僕は仄かな灯りが降り注ぐだけの廊下に立っていた。見覚えのあるその通路を歩いて行くとやはりその先に見覚えのある扉があって。少しだけ開いた隙間から室内の明かりが廊下に漏れているその扉。聞こえてきたのはリンの声とそれから何故かよく知った声。胸騒ぎと違和感を抱えつつ扉を押し開けば。
……その先に映る光景に、絶句した。
白いシーツに横たわるリン。眠っているのだろうか、その碧水色は固く閉じた瞼の奥で輝きを潜めていた。
そんなリンを組み敷いているのは誰よりも僕がよく知る少年で。
「……え……?」
思考回路が追い付かないまま漏れた疑問の声。声音に気付いた少年がリンに跨ったまま此方を向いた。さらりと揺れる金糸。碧水色の瞳。
『…ようこそ、騎士(ナイト)の僕。』
ニヤリと口角を上げる愉快犯。間違いない。“レン”。つまり“僕”だ。
頭が痛い。眩暈がする。
レンは百年の眠りにでもついたかのように瞳を閉ざすリンの頬にするりと指を滑らせた。まるで自分の物だとでも知らしめるかのように。
『さっさと気付けばどう?』
「…………。」
『庇護欲の裏に何があるのか。』
「……やめろよ。」
『何がいちばん欲しいのか。』
「やめろ!やめろやめろ!!!!」
叫ぶ僕に比例するかのように歪んでいく背景。ゆっくりとレンの唇がリンのそれへと落とされ。
視界は完全に黒へと染まった。
目を開けたのは窓から月の灯りが降り注ぐベッドの中。ようやく現実に戻れた事に安堵の溜め息。それにしてもなんてリアルな夢だったんだろう。
寝返りをうてばちょうど此方に寝返りをうったリンと搗ち合った。
「…ん……レ、ン……。」
どうやら彼女の夢の中にも僕が出演しているらしい。幸せそうな寝顔だ。そっと頬に触れるとリンはいっそう頬を緩ませた。
「…だぁい…すき……。」
「……リ…!」
至近距離で漏れる吐息に頭の中でけたたましく警鐘が鳴り響く。
フラッシュバックする、あの悪夢。
『さっさと気付けばどう?』
『庇護欲の裏に何があるのか。』
『何がいちばん欲しいのか。』
夢というものが深層心理、願望の現れだとするならば…あの少年は、不敵に嗤うあのレンは―――。
理性と本能。交錯する感情。
それでもまだ、愛しいお姫様の騎士で在りたい僕は。
ただ、この夜が早く明けるのを願うばかり。
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