((あ、こっち見た?))
青い髪の彼を見るたびに、なれないこの環境へのむず痒さがこみ上げてくる。
付き合い始めて数ヶ月は経っている。
いまだにまともに私は彼としゃべれない。

“恋”

それは間違いない。
でも、友達の協力なしに今の関係は成り立っていない。
今もたまに考える。
彼は私と恋人だということは、レッテルになってるんじゃないか。
うれしくもないだろう。

私は告白した。
だから、彼に「別れて」なんていう権利はない。

分かってる。分かってるんだ。

いつの間にか付き合ってることが周囲にばれていて、最近はよくからかわれるけれど、
からかわれるたびに思う。
『ごめんね。』
私の所為で、もしかして、嫌な思いをしてるのではないか。
私の存在自体が彼にとって、快いものではないはず。

でも、どうして、何も言わずにただ、見ていてくれるのか。

廊下であって不意に目が合った瞬間、私はどうしても目を逸らしてしまう。

彼は身長が高いから、遠くから見る以外、自然に見ることが出来ない。

きっと見てたら周囲に何かを言われるのが分かってるから、あえて目を逸らす。

知り合ったとき、イメージは何もなかった。
でも、意識とは不思議なものだ。私はなぜか、彼の隣を独占したくなった。
・・・昔から、独占欲は凄く強いのだと思う。

だから、彼の隣の存在を私にしたかった。
今でさえ、彼の隣に、恋人という立ち位置に違う人間がいたら、私は半狂乱だと思う。

私は醜いのだ。きっと、自分の欲を満たすために彼を利用してる。
知れば知るほど自分が悔しい。
でも、彼から離れることなど、私には出来ないのだ。
彼が別れて欲しいといわない限り。

===続く===

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

閲覧数:134

投稿日:2011/04/29 18:56:29

文字数:720文字

カテゴリ:小説

オススメ作品

クリップボードにコピーしました