「♪HAPPY BIRTHDAY TO YOU」
歌声が、お店の中に響きわたる。
店員さんとお店に来ているお客さんが、声を合わせて歌っている。
「♪ハッピーバースデー・ディア・キディディランド♪
♪ハッピーバースデー・トゥ・ユー」
パーン!と鳴らしたクラッカーの音に、みんなワッと声をあげた。
お客さんの拍手の中、店長のカイくんが、みんなにクッキーとピンバッジを配り始めた。
原宿にある玩具店「キディディ・ランド」は、今日、2周年のアニバーサリーをむかえて、
ちょっとした趣向を凝らしたイベントを行っている。
2周年、といっても、リニューアルして2年目だ。
若いながら会社の社長を務める、メイ咲音さんのお父さんが、昭和の中ごろにこのお店を作った。
娘のメイさんが、玩具に加えてホビー商品もそろえたオシャレなお店として、2年前にリニューアルしたのだった。
お店の入口に置いた台には、スタッフのミクちゃんが焼いたクッキーがお皿に積んである。
「Thank You! Happy 2nd Anniversary」と書かれたピンバッジも、たくさん置いてある。
そのとなりには、お店の人気者のミクちゃんをデフォルメした、かわいい「ミク人形」のぬいぐるみが座っていた。
これは雑貨アーチストのテトさんと、デフォ子さんが作ったものだ。
●ソニカさん、ミク人形に目をとめる
いろんなお客さんが、店に来ている。
ぬいぐるみを作ったテトさん、デフォ子さんの顔も見える。
絵本作家のテッドさんも来ていた。
みんな、カイくんやミクちゃんにオメデトウを言ったり、楽しそうに売場を見たり...。お店はとても賑やかだ。
そこへ、ゼロジー文具のソニカさんがやってきた。
「みなさん、2周年おめでとう!」
にこやかな彼女の声に、店のスタッフはみんなうれしそうだ。
ソニカさんは台の上に置いてある「ミク人形」に目をとめた。
「これ、とてもかわいいですね。誰がつくったのかしら?」
「これは、重音テトさんという雑貨アーチストの方と、デザイナーのデフォ子さんに頼んで作ってもらいました」カイくんが答える。
「今日はお二人とも、ここにいらっしゃいますよ。ご紹介しましょうか?」
「それはうれしいわ」ソニカさんは喜んだ。
カイくんの紹介に、みんなはお互いに挨拶しあう。
「重音テトです。雑貨店『つんでれ』のオーナーをしてます」
「唄音ウタです。デフォ子という名で、グラフィックデザイナーをしています」
「ゼロジー文具の津井田ソニカです。商品企画をしています。どうぞよろしく」
●これ、とても素敵ですね!
ソニカさんは、デフォ子さんに聞いた。
「このぬいぐるみ、素敵ですね。あなたがデザインしたの?」
「ええ、立体にデザインしたのは私です。でも、もともとのイラストはこのお店のスタッフのミクちゃんなんです」
デフォ子さんは、売場の壁をゆびさした。
「そこに貼られた、商品の説明書きに描かれたイラストをもとに、私たちがぬいぐるみにしたんです」
「まぁ、そうなの」
そこへ、ちょうどミクちゃんが通りかかった。
ソニカさんは、彼女に声をかけた。
「この、ミク人形ちゃん、とてもすてきですね。商品にしたいくらいだわ」
「あら、そんな、商品だなんて」
ミクちゃんははにかんだ。
「お世辞がお上手ですね。でもうれしいわ。私、ちょっとお化粧直してきます」
ミクちゃんはうれしそうに、スタッフルームにかけこんでしまった。
テト・デフォ子・ソニカさんの三人は、ぽかんと見送って思った。
“あなたじゃなくて、このぬいぐるみのことだよ”(-ω-;)
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