ささめく謡に涙すれば
歌人冥利に尽きて言葉失うと優しき矛盾
隣にいた言葉でした

微かでも鼓膜の記憶の奥底に焼き付けておこうと
澪に座し音無を耳に当て

侘びしく克する移ろいの泥波
汲み取れない砂よりも白くなる音に

花弁を失う蝶の如く切なく
その道筋も糧も無情に定まり苦笑
水鶏が波紋を起こす 朧谺

曖昧に笑う半透明の顔を月に写せる
気力も薄くなる時 私は私を殺め下る

薊棘に赤める五指 痛みだけが私に寄り添う
声を求む 鼓膜上 たった一つ感情のアリア

孤独と丸くなる背を抱く空舞う時雨粒
交錯し微笑むのなら後生
哀悼の夜はきっとここまでで終わるのでしょう

いつまでも せめていつまでも もう一つの声を殺めながら

小さく声を背中からかけて抱いた
その声に圧され溢れ零す
器より大きな悲しみ
朧もやがて消え形を失った谺はやがて霧散した
再び顔を上げた瞬きの事でありました

一人を省みる背に焼く止水払い帰す
微睡み貪る夢に「さよなら」
残情を呑んで寒きこの小夜に残るとしても

今だけは前を見て歩もうと

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

朧谺

朧谺は造語です~。曖昧+曖昧みたいな。
ピアノのアカペラバラードみたいな

閲覧数:84

投稿日:2011/02/07 23:43:09

文字数:456文字

カテゴリ:歌詞

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