『隣の席のレン君っ。君は家族を誘ってくれればいいのだよっ』
そんな簡単に言われても困る。
あと何キャラだ。
リンやミクは誘えば来てくれそうだが、ルカは仕事があるかもしれないし、ユキは話もしてくれない。
「レン、帰ろ!」
そんな事を思っていたら1日が無事(?)終わったようだ。
「今行くよ。」
何か恋人みたいな会話だな、とは思ってない。思ってないからな?
「どうだった?」
「…無事に過ぎたよ。」
「無事って当たり前じゃん。無事じゃなきゃどんななの(笑)」
「いや、ほら虐められるとか…」
「ないよ、フツー(笑)」
無いのが普通なのか。
てっきり「お前女にしか見えねぇ(笑)」とか言われるのかとか思っていた。
…何も言えないが。
「まぁレンって女の子みたいだからねー」
リンは人の思ってること読めるのか?
「……よく言われるよ。」
「でもそっちの方が親しみやすいよ。女の子と話してるみたいだしね!」
褒めてるのか貶してるのか…
「家までの道、覚えてね!彼女できたら私邪魔だし~」
「はっ!?か、彼女!?出来ないよ!!」
「さーて、どうかなぁ?」
リンとは結構仲良くなった。
気さくで話しやすいし、同じ年齢だし。
「そういえばユキちゃんは?」
「今日は委員会の仕事があるんらしいよ?帰りはミク姉が一緒に帰るって。」
「へぇ。」
帰りにユキも(グミが勝手に推し進めた)ライブの話しようと思ったんだけど。
そうすれば多分「行かない」と言うであろうユキをどうにか行かせられると思う。
リンの笑顔には逆らえないらしいからなぁ、どんな笑みでも(ミク談)
でもリンだけにでも話しといた方が楽だろう。
「あのさ、明後日グミさんからライブ誘われt」
「え、何!?もう彼女作ったの!?」
「いや、最後まで聞いてくれる?」
「あっ、ごめん…」
「グミさんにライブ誘われたから明後日みんなで行かない?」
「みんなって?」
「ルカ姉とミク姉とリンとユキちゃんとグミさんと俺。」
「いいね!私はおっけーだよ!!」
楽しみ♪と嬉しそうだ。
良かった。
「でさ、ユキちゃんと話せてないからその…」
「ねぇ」
そう言ったリンはさっきの笑顔とうって変わり、真剣な表情で話し始めた。
「ユキさ、何でレンを受け入れないか分かる?」
「…俺を家族だと思ってないから…?」
「…だとしたら何で家族だと思ってないか分かる?」
俺は首を左右にふった。
「だって、分かろうとしてないじゃん。ユキにはそれなりの理由があるの。」
「り、理由?」
「ユキね、小2までの記憶がないの。その理由は本人には知らせてないし、知らせたら悲しむのはユキだから。」
「……」
「私が言えるのはこれだけ。あとは本人に聞いてみて。」
…知らせたら悲しむ…
よっぽど辛い過去なのだろう。
本人になんて聞けるはずがない。
「ライブの話なら私が話しておく。話しておくけど、誘うのはレンがやってね。」
「あ…うん。」
「じゃ、早く帰ろ!!」
リンはまた笑顔に戻り、明るく道を走っていく。
「ちょっ、速い!!」
「レンが遅いんだよ!!」
いや、どう考えてもリンが異常に速い。
50m走何秒台なんだってくらい速い。
ちなみに俺は8秒台だから普通。
「ほら、速く!先に着いた方にアイス奢ってね!!」
「ぇ…いや、それリンが得するに決まってんじゃ…」
「ごちゃごちゃ言わない!」
結局、俺はリンにガリ●リ君を奢った。
かなり嬉しそうに頬張っていたから、不思議と悔しくはなかった。
あとで尋ねてみたところ、リンは6秒台らしい。
勝てるはずがない。
「ユキちゃん、入っても…」
「ダメです。何か用ですか?」
「ライブのことなんだけど…」
「行かないです。」
やっぱり。
「みんなで行きたいんだ。ダメかな?」
「…私なんかを誘ってもつまらないです。」
「そんなことはないと思う。家族みんなで行った方が楽しいよ。」
何かをするなら大勢の方が楽しい。
「あなたを家族なんて認めてないです!私はいつもの家族がいいんです。」
俺は邪魔、ということか。
これは凹むかも…
「俺、ユキちゃんがどう思おうと、家族だって思ってる。親父も死んだし、母さんだって死んじゃったし、兄弟もいないし、血縁者が誰もいない。」
僕は天涯孤独なのかと改めて思うと何とも言えない寂しさと悲しさが溢れてくる。
「俺だって、家族欲しいんだ。」
親父が死んでから、初めて本音を言った。
「…ライブ、いつですか。」
俺は驚いて目を見開いた。
「えっと…あ、明後日…」
「…行くです。」
「あ、ありがとう。」
微笑んだ。
ユキはドアの向こうだから、見えないけれど。
「レン、入るよ。」
パソコンを見ていたらリンの声とノックの音が聞こえた。
普通ノックの音が先にするはずなのだが、リンの場合は逆。
正直ノックは必要ないと思う。
「どうぞ。」
ドアが開き、パジャマ姿のリンが入ってきた。
「ユキから聞いたよ。」
「ライブのこと?」
「うん。レンならできると思ってた!さすが私の弟!!」
「え、俺弟なの!?」
「え、違うの?」
「…兄だと思ってた…」
驚くことに、リンと俺は誕生日が一緒である。
容姿も少なからず似ているため、双子かと思ったが、そんなハズはない。
俺は最近ここを知って、最近ここに住み始めたのだから。
「何言ってんの?私が姉に決まってる!」
ドヤ顔された…
「まぁ、良かったよ。ユキも受け入れ始めてるみたいだしね!!」
「…うん。」
「レン君、お風呂空いたわよ。」
「あ、うん、今行く!」
「いってらっしゃい!!」
「うん。」
明後日、楽しみだな。
続く。
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夢音 リン
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はじめまして!
夢音リンといいます^^
読ませていただきました~←
ユキちゃん…ツンデレハァハァ(゜∀゜)タヒ
連載楽しみにしてます~w
2011/08/26 22:49:27