ぱち、と目が覚めた。私は身体を起こした。
「・・・ねぇ、カイト」
「何ですか、マスター」
にこにこと何やら嬉しそうなカイトを見て、
「なーんで、いっつも起きたら私の横にいるの? なんか寝てる間に変なことされてそうで、恐いんだけど」
抗議(?)する。
「え? だめなんですか」
カイトの青い目が、少し揺れる。
「うん。だめだけど」
私は気にせず、即答してやる。
「・・・うー、・・・夢何見ました?」
微妙に話題を逸らしてきたなとか思いながら、
「えっとねー、ライオンに襲われる夢見たよ」
「・・・・ぇ!?」
あ、なかなか見れないリアクション。私はカイトを見つめる。
「・・・というのはうそで、実は何にも見てないよ」
「あ、・・・そうだったんですか。なんだかほっとしました」
「でも、車の衝突事故なら見たことあるよ。これは、ほんと」
「ええっ!!? ま、マスター大丈夫だったんですかっ!??」
「大丈夫じゃなかったら、ここにいないよ。それに、あくまで夢の中の話だからね」
「そうですね。・・・夢、ですか・・・」
なんだか淡くカイトは微笑んだようで、私は慌てて、
「じ、じゃあ、顔洗ってくるから!」
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