ベッドに横になったまま、リンちゃんはいつの間にか、眠り込んでしまっていた。
「あ、寝ちゃったか。うへ、服も着替えてないや」
身を起こして、部屋の時計を見る。
「あれ?」
リンちゃんの泊まっているホテルの部屋には、机の上にデジタル文字の時計がついている。
でも、その時計に文字は出ていなかった。
「時間がわかんないや。壊れてんのかな、この時計」
自分のスマホを取り出して見る。電池切れだ。
「おっかしいなあ。さっきスタジオにいたとき、充電したはずなのに」
彼女は、ベッドの上に腰掛けたまま、なんだか不安になる。
「いま、何時なんだろう?」
●どのくらい寝てたのかな?
さっきまで、どのくらい寝てたのだろうか。
そんなに深く眠った気もしないが、急に、ストンと眠くなったような感じもある。
その時、どこからか、鳥のさえずりのような音がしてきた。かすかに、“チュン、チュン”と…。
「あ。鳥の声だ。もう朝なのかな?」
彼女は部屋の窓のところに行き、カーテンを開けてみた。
部屋のすぐ外には、となりのビルの壁面が迫っている。空がよく見えないので、はっきりとはわからない。
でも、まだ外は暗いようだ。
「まだ、夜なのかなぁ。でも、夜明けのちょっと前に、鳴き出す鳥もいるよね」
リンちゃんはそう思って、部屋のドアのところに行き、開けようとした。
●かすかに鳥の声が
ドアのノブを回そうとしたとき、
“リン、開けちゃダメだよ!”
どこからか、そんな声がした気がした。それはサナギちゃんの、声のようだった。
ビクッとして、ノブから手を離す。
彼女は、ドアの前に佇んだまま、固まったように立っていた。
シーンとした静寂。しばらくすると、またかすかに鳥の声。
窓の外から“チュン、チュン、チュン”と、小さく響いている。
もう一度、窓辺に行き、外を見上げてみる。わずかに見える空は、まだ真っ暗だ。
でも心なしか、さっきよりも明るくなった気もする。
彼女はまたドアのところに行き、開けようと手を伸ばした。また、頭の中で声がした。
“開けちゃダメ!リン!”
コメント0
関連動画0
オススメ作品
『バットヒロイン』
息をするだけで嫌われて
歩くだけで嘲笑われる
貴方のために生きているのに
何をしても裏目に出て
冴える思考は理解されない
明るすぎるわ貴方が居るところは
いつか、暗くなる、それを遮りたいのに
いつか、それさえ、手が届かなくなって
宙に落ちる...バットヒロイン
ちかげ
誰かを祝うそんな気になれず
でもそれじゃダメだと自分に言い聞かせる
寒いだけなら この季節はきっと好きじゃない
「好きな人の手を繋げるから好きなんだ」
如何してあの時言ったのか分かってなかったけど
「「クリスマスだから」って? 分かってない! 君となら毎日がそうだろ」
そんな少女漫画のような妄想も...PEARL
Messenger-メッセンジャー-
始めようこの世界を
照らす6本の放物線
見えるでしょ?
WE ARE "SHOOTING STARS"
今日は何があったの?何でも聞かせて
君のこともっともっと知りたいよそれって変かな
ずっと待ち続けた雲が晴れる瞬間は
今この時鐘が鳴り響く
トビラ開けて勇ましく
踏みしめて力強く...SHOOTING STARS
めろくる
ハローディストピア
----------------------------
BPM=200→152→200
作詞作編曲:まふまふ
----------------------------
ぱっぱらぱーで唱えましょう どんな願いも叶えましょう
よい子はきっと皆勤賞 冤罪人の解体ショー
雲外蒼天ユート...ハローディストピア
まふまふ
『欠陥少女』
足りない 足りない I need more you…
足りない 足りない I need more you…
足りない 足りない I need more you…
足りない 足りない I love more you…
足が足りない 腕が足りない
溢れていく器だから
思考が足りない 配慮が...欠陥少女
ちかげ
ポッピンキャンディ☆フィーバー!
作詞・作曲 キノシタ
あの日忘れた夢色も 昨日謳った涙色も
有り体に言えないね だからとっておきの魔法をかけよう
キャラメル・キャンディ・チョコレート
お洒落でカワイイティータイムは なんか疲れちゃいそうだし
アゲアゲで行こうよ(アゲアゲ!)
コツは楽しんで楽し...ポッピンキャンディ☆フィーバー! 歌詞
キノシタ
クリップボードにコピーしました
ご意見・ご感想