僕は思った。

なぜグミは、MGR団に入ろうと思ったんだろう。

まだ何も活動してないし。

ていうか活動する意味があるのだろうか。


こんな変わった人ばかりが集うMGR団に入ろうと思ったってことは、このグミと名乗る少女も変わってそうだ。

なんか折りたたみ式ナイフ持ってるし。何故。




「…あのさ、グミちゃん。どうしてこの集会に入ろうと思ったの?」



初音がグミに尋ねた。


いや初音、ここはいつから集会になったんだ。

まぁある意味集会かもしれないけど。




「ここには、いろいろなことを研究している人達が居るって聞いたんです」

「へぇ。それで?」

「私も少し研究をしていまして。それでここに入りたいなぁと思いました」

「なるほど。」



…それだけの理由でここに入ろうと思ったとは。

それにここ、結成されてから一日しかたってないけど。

この少女は地獄耳のようだ。

というか噂なんてどこできいたんだ。



「なるほど、あなたの意思は分かったわ…その心意気や、気に入った!そなたを引き入れてやろうではないか!」



初音が調子に乗ったようだ。

ルカはルカでまだ爆睡。



「では、この入部届を記入してください」

「はい」

「初音ちょっと待て」

「何よ?」

「ここはいつから部活になったんだ」

「ついさっき」

「…『MGR団』なのに、部活なのか?」

「じゃあ『MGR部』に改名いたしました」



なんちゅういい加減な。

そして部活名からして何をやるかよくわからない部活だ。

あと生徒会長に届出をしないと…

初音はいい加減だなぁ。



「で、部長は誰だよ」

「そりゃあ私でしょ」

「そうっすか…」



ちゃんとやってくれるのか?この部長。



「で、グミちゃん。あなたの研究って?」



MGR団が部活になったことにより全員が入部届を書かされている為、起こされたルカがグミに尋ねる。



「神威先輩は『この世の秩序』ですよね?」

「え…?うーん、そうなるのかな」



今となっては、僕は神の知識も頭に入っているからそうではないが一応そう言っておいた。

で、初音がまだ『神に等しい立場』だったっけ…

ルカが確か『失われた自分の過去の記憶』だったっけなぁ…

どれも研究内容が変わっている。特にルカ。



「私は――『神の知識』です」

「え?」



僕は思わず呟いた。

彼女が求めている『神の知識』は、全て知っているのはこの僕だ。

だって神だったんだし。



「私は、『神の知識』を得る為ならこの世の全てを研究材料にするつもりです。
 秩序や自然、政治や動物も。
 そして、もし神に関係のある人間が居たら、殺してでも『神の知識』を聞きます。
 そして、私は『神の座』を得る」



僕は周りを見回す。

…えーと、つまり。



神の立場を奪おうとして、『神の知識』の四分の一を知っていて、七つの大罪全てを犯した初音=神に関係ある。

『神の知識』の四分の三を知っていて、長い間(?)神に居座っていたルカ=神に関係ある。

なんか争いに巻き込まれて、『神の知識』の全てを知って神になって『神の柵』と『神のスゴロク』を破壊した僕=神に関係ある。




つまり、僕らは…この少女に、殺されかけるんだろか。



というか、神にはもうなれる者は居ないけどなぁ。

僕が柵を破壊したんだし…


はぁ…。

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僕と彼女の不思議な校内探検 4【リレー】

閲覧数:561

投稿日:2011/10/30 21:54:18

文字数:1,445文字

カテゴリ:小説

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