世に生まれ落ちた時から
奇っ怪と呼ばれ
幼少に上がれば
異端児と呼ばれ
ああ それほど僕は
醜いのでしょうか
誰もが口元隠し噂をして嗤う
僕はクチナシの花を折り曲げる
誰も求めてくれないなら
僕が求めてあげる
お気に入りのハンカチ
花の型ひらりと折った
大人になったら凡人
そう呼ばれるからと
母親が嘯く
目を逸らしながら
なぜ そんなに僕を
忌み嫌うのですか
誰もが視線を隠しかくれんぼの鬼に
僕はクチナシの花を切り落とす
誰も愛してくれないなら
僕が愛してあげる
お気に入りのハサミで
伸びた毛をばさりと切った
遠い空を鳥がいくのをそっと
窓の隙間から眺めていた
自由の空よ遠いままなら
腐り果てるがいい
誰も認めてくれないなら
僕が認めてあげる
お気に入りの鉛筆
歪む丸無数に描いた
僕はクチナシの花を撫で付ける
手の温度で爛れて落ちた
僕が好んだものは
すべて口無し
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