「綾様?」
「劉華さん」
あの方と同じ、金髪蒼目の方、綾様は私の声に気付いてこちらを向いた。
「劉華、で結構ですよ。私は鎌なのですから」
私が言うと綾様は首を振って「そんな事出来ませんよ!」と言う。
「それに、私が死神になったのは劉華さんに狩られたからで・・・」
ふ、と顔を和らげて彼女は言った。 あの方とそっくりなのに、全く違う。
「所で綾様、如何なさいました?何か悩んでいる様でしたけど・・・」
私が聞くと「分かった?」と言って綾様は えへへ、と笑った。それで私にも見当が付いた。
「憐様、の事ですね?」
あの方の名を言うと、綾様は少し驚いた風にコクリと頷いた。
「憐ってさ、何であんなに無愛想なのかしら?全く、可愛くない」
でも男の方で愛想があっても少々可笑しいモノを感じると思いますが。
「それにしたって無さ過ぎよ!顔だってあの時以来見てないし・・・」
「あの方が頭巾を外される事は滅多にありませんからね・・・」
「フーン・・・」
そう言うと綾様は頬杖を付き、遠くの方を眺めた。そして唐突に
「ねぇ、憐って前は人間だったんでしょ?だったら人間の時、私、あいつと会ってんのかな・・・」
と言った。
「な・・・。何でそう思われるのですか?」
心の動揺を表に出さない様に私が聞くと、
「何かね・・・。始めて会った時、何故か懐かしい気がしたの。凄く・・・嬉しい、て思ったの・・・」
「そう・・・ですか・・・」
私は口を閉じ、ふと空に目をやる。今日も良い天気だ。
(間違いない。この方は――――――)
古からの縁であの方と結ばれている。
譬え己が覚えてなくとも心が忘れずにいる
覚えてる、覚えてない ~鎌を持てない死神の話 番外編 2~
2です。あ、最後の文は、
古は「イニシエ」と読み、縁は「エニシ」と読みます。譬えは「タトエ」です。
昔からの縁は自ら切れるモノでも切れるモノでもないだろうなぁ、みたいな思いからこの話は生まれました。
読んで頂き有難う御座いました!
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