わたしは今日も転がります。
私を見つけるために。

届かない夢に頭が騒ぐ。
押さえつけて、掻き回して、掻き回して・・・。
私を見つけるにはたくさんのわたしの中を探して私を見つけねばならない。
まるで間違い探しだ。
陽炎のような私が囁く言葉に意味を奏でながら。
失敗すれば、回る。
私が囁いた。
「もう良いかい?」
わたしは答えた。
「まだですよ。まだまだ先は見えないので。息を止めるの、今。」

わたしの成れの果てが陽炎のような私だ。
私を見つければ届く、向こうの色。
わたしの声と私の声を混ぜ合わせる。混ぜ合わさる。
「わたしをどうか転がしてください」
と私に言う。
無口に意味を重ねながら。
「もう良いかい?」
「もう少し。もうすぐ何か見えるでしょう。」
息を止めるの、今。

わたしは今日も私に言う。
「わたしは今日も転がれます。」
言葉に笑みを奏でながら。
私が言った。
「もう良いかい?もう良いよ。そろそろ君も疲れたろう、ね。」
ああ、私はこんなところにいたのか。
やっと止まる事が出来る。

息を止めるの、今。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

ローリンガール

閲覧数:112

投稿日:2011/06/30 20:56:57

文字数:461文字

カテゴリ:小説

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