コートを脱ぎ、
ストーブをつけて、
座ったら、なにもできなくなってしまった。

特段難しいことがあったわけではない。
厭になるほど疲れるようなことも、ひどく悲しい出来事もない。
自分の気持ちに理由をつけられるような出来事は何もなかった。
ただ座って、電気ヒーターの赤い光を見つめている。

今日がもうすこしだけ暖かければよかった。
ほんのすこしでも、暖かければよかったのにと思う。

こんな日は、ただじっとして、
じっと心を固めて、頭の上から夜が通り過ぎるのを待つ。
ひとつ、ふたつ、時が過ぎて、
みっつ、よっつ、音を数え、
朝が来たなら、きっとすこし楽になる。
素敵なサプライズや正体不明のヒーローに期待するよりも、それがずっと確実なチェックポイント。


カーテンの隙間から覗く雪。積もる音がやけにうるさい。
アルミサッシの鍵は閉まっていて、窓の端がすこし曇っていた。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

夜をおくる / バックストーリー

ニコニコ動画に投稿した楽曲「夜をおくる」、世界観のもととなるバックストーリーです。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm30427418

閲覧数:131

投稿日:2017/01/20 23:18:54

文字数:386文字

カテゴリ:小説

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