そして、雅彦はミクに連絡しようとしていたが、踏ん切りがつかず、迷っていた。
 (ミクに拒否されるのではないか…、あるいは電話に出てもどんな言葉をかけられるか…)
 そんなことを考える雅彦。しかし、頭の中で考えている限り先に進まない。決心して連絡することにした。

 (あ、連絡がきた)
 ミクあての連絡に気がついたミク。連絡元を確認すると、
 (!、雅彦さんだ…)
 一瞬出るか迷ったが、出ることにしたミクだった。
 「…ミク、元気?」
 「…雅彦さんのほうこそ元気ですか?」
 二人共、普段と変わらない様子なのに安堵する。
 「ああ、何とかやっているよ。それでさ、今日はこの前の喧嘩のことについての電話なんだけど…」
 「はい、私もそのことについて話たかったんです」
 そして、本題に入る二人。
 「…ミク、ごめん。僕がミクの想いをないがしろにしたから、喧嘩になったと思っている。本当にごめん」
 「いえ、雅彦さんの私に対する心遣いを無視してしまった私にも原因があります。すいませんでした」
 「本当は、もっともっとミクに対して言わなきゃいけないことが沢山あるんだと思ったから、一人で考えたり助言をもらって色々と考えたんだけど、今の僕には出てこないんだ。これだけじゃ全然足りない気もするけど…。今回喧嘩した件は、本当にすまないと思っているよ」
 「いえ、そんなことないです。それは私も同じですから。でも、さっきの言葉で、雅彦さんの想いは十分に伝わってきました」
 お互いの言葉を聞いて、安堵の空気が流れる。
 「…これで仲直りだね。それでさ、僕なりに色々と考えたんだけど、僕がミクに何か約束しないと、きっとまた同じことが起きると思うんだ。だから、僕がミクに約束したいことがあるんだけど、良いかな?」
 話を変え、ミクに対して提案をする雅彦。
 「はい、何でしょうか?」
 「僕は、ミクに対して、これからは、もっと今まで以上にミクの要望を聞こうと思うんだ」
 「…それって、例えば私のわがままを聞いてくれるってことですか?」
 「そうだね。今まではミクの仕事のことを第一に考えて来たけど、それだけではいけないと思っているんだ。これからは、もう少しミクのプライベートなことも考えないといけないと思ってる。ミクの全てが仕事で構成されている訳じゃないから、もう少し他のことも考えないと、同じことの繰り返しになると思うから」
 「ありがとうございます。お返しじゃないですけど、実は私も、雅彦さんに約束したいことがあるんですが…」
 「良いよ。何だい?」
 「その、私の要望と言うか、わがままを聞いてもらう時は、私が一方的に言うだけではなくて、これからは雅彦さんに事前にちゃんと相談しようと思っています。二人で一緒にお互いが納得する妥協点を探さないといけないと思います」
 約束したいことを提案するミク。
 「…うん、それは良いかもしれないね。要望が全て聞ける訳じゃないから、そういう時は話し合いって折り合いをつけることも必要だと思う」
 「そうですか、ありがとうございます」
 「それじゃあ、ミク。これからのワールドツアー、頑張ってね。本当は、ワールドツアーの開始前に言わないといけなかったんだけど…」
 「いえ、雅彦さん、そんなことないです。今の私には、十分響きましたから」
 「そう言ってくれると嬉しいよ。帰って来るの、待ってるから」
 「はい」
 そうして、連絡を終えるミク。
 (…これで解決ね。これから、頑張らなくっちゃ)
 そう考え、気分を新たにするミクだった。

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初音ミクとパラダイムシフト3 3章27節

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投稿日:2017/03/06 22:43:12

文字数:1,484文字

カテゴリ:小説

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