今日も走り去る夕陽の陰で
地を這う汽笛を夜風がさらう
枕木にそっと寄り添うように
悠久をうたう鐘の音が鳴る


日々に老いて眠る鉄塔は
求むいらえをくれはしない
風に行く末を尋ねても
共に歩んでくれはしない

歯車が空廻るたびに
きしんだ鉄の奥
それはひどく蒸気を孕んで
塵より夢より 重く

空を負い 地上見下ろす君よ
かすれゆく声が届くならどうか
その翼にのる自由ひとひら
鋼のレイルに落としてくれ


海を灼いたあの日の斜陽は
ひとり深い闇に溺れて
やがて寄る辺ない朝焼けが
あかい錆色の手差し出す

いつの日か 無限の時間が
この身に積もり積もって
いつの日にか彼らの隣で
ひっそり消え入るのかと

やまない静寂に穿たれながら
冷たい地面に心うずめて
君の手を求め嘆く火室に
思い出をくべて灰を散らした


ひたと最果てを目指し
孤独をくぐる列車は
止まることも飛ぶこともできず
まっすぐ進み続けた

今日も走り去る夕陽の陰で
末枯れる汽笛を夜が呑み込む
誰の記憶にも触れることなく
あの茜色をおきざりにして

昨日に手をふる夕陽を見つめ
踏み外した身を横たえながら
枕木にそっと片耳寄せて
憂愁をうたう鐘の音を聴く

空を負う君よ
声が届くなら
ああ ひとひらでいい 自由を

--------キ---------リ-----(かな)-----ト---------リ--------

※曲のリズムに合わせて、言葉を区切っておりますので
大変、読みにくい記載となってしまっております。
ご容赦いただければ幸いです。

※字余りの部分は( )で、字足らずの部分は[ ]で
括らせていただいております。

【S】
きょうもはしりさる ゆうひのかげで
ちをはうきてきを よかぜがさらう
まくらぎにそっと よりそうように
ゆうきゅうをうたう かねのねがなる


【1A】
ひびに おいてねむるて(っ)とうは
もとむ いらえをくれはしない
かぜに ゆくすえをたずねても
ともに あゆんでくれはしない

【1B】
はぐるまが からまわるたびに
きしんだ くろがねのおく
それはひどく じょうきをはらんで
ちりより ゆめより おもく

【1S】
そらをおいちじょう みおろすきみよ
かすれゆくこえが とどくならど(う)か
そのつばさにのる じゆうひとひら
はがねのれいるに [おとしてくれ]


【2A】
うみを やいたあ(の)ひのしゃようは
ひとり ふかいやみにおぼれて
やがて よるべないあさやけが
あかい さびいろのてさしだす

【2B】
いつのひか むげんのじかんが
このみに つもりつもって
いつのひにか かれらのとなりで
ひっそり きえいるのかと

【2S】
やまないしじまに うがたれながら
つめたいじめんに こころうずめて
きみのてをもとめ なげくかしつに
おもいでをくべて はいをちらした


【3B】
ひたと さいはてをめざし
こどくを くぐるれっしゃは
とまることも とぶこともできず
まっすぐ すすみつづけた

【3S】
きょうもはしりさる ゆうひのかげで
すがれるきてきを よるがのみこむ
だれのきおくにも ふれることなく
あのあかねいろを おきざりにして

【4S】
きのうにてをふる ゆうひをみつめ
ふみはずしたみを よこたえながら
まくらぎにそっと かたみみよせて
ゆうしゅうをうたう かねのねをきく

【Outro】
そらをおうきみよ
こえがとどくなら
ああ ひとひらでい(い)じゆうを

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

夜鷹を追って

http://piapro.jp/t/ej0g
上記の2マス様の曲を拝聴し
曲のイメージとして掲げられていた
「夕日」「鷹」「機関車」を念頭に制作させて頂きました。

このような機会をくださり
また、力強くも切ない曲を生み出してくださいました
2マス様に、心からの感謝を込めて。


※2/28追記
なんと、当方の歌詞を採用して頂くことになりました。
本当にありがとうございます。

そして一部、歌詞内の誤字を発見しましたので修正を行っております。

閲覧数:499

投稿日:2011/02/28 03:07:26

文字数:1,459文字

カテゴリ:歌詞

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