※諸注意

何年も前に書いたテキストの続編です。
まずは前作をお読みいただくことを推奨します。
こちらhttp://piapro.jp/antiqu1927の投稿作品テキストより。

・カイト×マスター(女性)
・妄想による世界観
・オリキャラ満載
・カイトは『アプリケーションソフト・VOCALOID・KAITO』の販促用に開発されたキャンペーン・イメージロイド(?)機械的な扱い、表現を含む
・女性マスターの一人称が『オレ』

恐らくツッコミ処満載ですが、エンターテーメントとして軽く流して楽しんで頂けると幸いです

上記が許せる方は、自己責任で本編へどうぞ


☆☆☆☆☆☆☆





〈シャングリラ第二章・三話①~社会進出の為の日常の数々~〉



その①


SIED・SINOBU


「いいなー、いいなー、」

カイトの社会勉強の一環として、今日は人が多く集まる町中へと繰り出すことになった。その際、カイトはいつものロングコートでは目立つからと、何の変哲もないジャケットとスラックスに着替えさせた…んだけど。

これがものすごくよく似合う。

本当はもう少し体格いいはずなのに、着痩せするタイプなのか見事に細身の綺麗なシルエットを描いている。
眉目秀麗で高身長、これは洋服の選び甲斐もあるよな…。

「あの、マスター?どうして俺の周りをくるくるしてるのですか?」

「いや、どの角度から見ても格好いいなーって思って。ほら、オレってチビっちゃいからさ、羨ましい…」

こういう大人の男っていう雰囲気、どう頑張ってもオレには無理。

「篠ちゃん、羨ましいっていう相手間違ってない?」

「なんで?」

じゃ、誰に言えばいいんだよ。オレの周囲にいるなかじゃ、カイトがダントツなんだけど。正隆さんには羨ましい要素は見当たらないし。…あっ、でも頭がいいのは羨ましいかも。

「篠ちゃんは女の子なんだからさ、スタイルがいいといえばMEIKOとか巡音ルカとか…、」

あー、そっちかー。

張りのある巨乳、締まったウエスト、悩ましい曲線を強調したお尻…、あからさまに大人の女全開の二人を例に出されて、ちょっとムカつくよな。オレが求めているのは、そういう方向じゃない。ってか、それ正隆さんの趣味なんじゃないのか?



「あの、聞き捨てならないんですが一体どういうことでしょうか、」

呆れて文句を言おうと口を開いたオレの背後から、明らかに怒気を含んだ静かな声が響く。

…なんでカイトが怒ってるの?

「何故、俺のマスターが他の女性を羨ましく思わなければならないのですか?どこにそんな要素が?その二人に限らず、マスターには他を羨む『必要』も『理由』もないかと、」

「え?いや、」

「…まさかとは思いますが、あなたから見て俺のマスターがその辺にいるその他有象無象の女性に何処かしら劣っているとk」

「そ、そういうわけじゃ…(汗)」

「では、具体的にどうして先ほどの発言が出たのかをご説明いただきたいのですが、」

「あわわわわわわわ」

…なんか、カイトが代わりに怒っちゃったから、逆にオレ冷めちゃった。
ってか、なんか方向性がおかしい気もするけど、まぁいいや。

この分じゃ、あと一時間は出かけられないな。

よーし、アイスでも食べよっと。



その②


SIED・MASATAKA

今日はちょっと疲れたな…。
カイトを連れて、バスや電車を乗り継いでいろんなところへ行ってきた。人の多い町中…デパートやゲームセンター、ファミレスやショッピングモール等々。ちょっと欲張って、歩きすぎたかな。普段あんまり外出しないから、運動不足の体には堪える。

でも、僕なんかよりもカイトのほうがよっぽど大変だったみたい。まぁ、当たり前だよね。今までとは環境の異なる場所に連れて行かれて、無秩序に行きかう人ごみの中を長時間歩かされて、相当のストレスだったんだと思う。簡易的に計った各種パラメータの数値が、かなり異常なことになっている。人間に例えると交感神経に当たる部分が特に酷い。


だからかな。


「…ますたー、」

「ちょ、苦しいから離せって、」

「…嫌です、」

帰ってくるなり、カイトが篠ちゃんに甘えだした。はは、僕の存在は丸無視だな。割といつものことだけど。


「いい匂い…、」

「やーめーろー、」

あーもー、目の前でいちゃつかれると、目のやり場に困るんだよね。カイトは篠ちゃんの髪に顔を埋め、その華奢な体を完全にホールドしている。


「柔らかい、気持ちいい、」

「乗っかるな!重い‼」

ってか、そんなに体重かけたら篠ちゃん潰れちゃいそうだよ。

あ、でも待って。少しずつだけど、カイトの各種パラメータの異常値が回復してきてる!


「ますたー、ますたぁー…、」

「いだだだだ‼おおい、正隆さん見てないで助けてくれぇぇぇぇ!」

このままいけば、数十分でall greenだな。これちゃんと記録とっとこう。
どうやらカイトは精神面でダメージを受けると、昇華行動の一環として、本能的にマスターである彼女に癒しを求める行動をとるようだ。


「ますたー…、」

「ぐえっ、…し、死ぬ、」

あっ、篠ちゃん陥落…でもこういったサポートも、マスターとしての役割の一つだから、これからも頑張って貰おう。

まぁカイトが社会生活に慣れてくれば、多分状態異常を起こすこともなくなるから、ね。


続く

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

シャングリラ第二章・三話①~社会進出の為の日常の数々~【カイマス】

ここからしばらく小ネタぶっこんでいきます。

閲覧数:38

投稿日:2016/08/27 14:55:01

文字数:2,257文字

カテゴリ:小説

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