「ねえ」
「何だ?」
「クーラーつけていい?」
「それは、ダメだな」
「何故」
「地球温暖化が深刻だからに決まってんだろ?」
「何それ。つけるよ」
「あー、ダメだって。あーあーあーあー」
俺の声を無視して、リンはクーラーをあっさりつけた。
ちくしょう。
さっきから良い感じにリンが汗をかいて、キャミが汗で濡れてきたからもう少しで透けて見えそうだったのに。
とはいえ、俺もさすがに暑いと思い始めていたので、まあいいや。
「ほら、涼しいでしょう」
得意気に薄い胸を張って、リンが言う。
「そっすね。それよっかも早く宿題してよ、リン。俺が写せないじゃん」
「や、写させないし」
「や、頑張って強引に写すし」
俺がそう言うとリンは嘆息して。
「あんた頭良いんだから自分で解きなさいよ」
「てそいっす」
「私だっててそいわよ」
「リンだって俺の宿題当てにしてんじゃん」
「私はいいの」
「何だよそれ」
こいつはクラスメイトにして幼なじみ。一緒の病院で一緒の時間に生まれ、家がずっと隣同士というまさしく生粋にして真性の幼なじみだ。
幼なじみ・オブ・トルゥース。
「あ、レン。今日のバーベキューの肉と野菜、私さっき買ってくるように頼まれたんだけど」
「あ、マジで?んじゃ、そっち行こうぜ。宿題飽きたよ」
「同感。お金はもう貰ってるし、出ようか」
「ブラジャー」
「セクハラ」
「にゃはは」
「もう」
そして俺達は家を出た。
今日は夕方からウチとリン家のバーベキューがある。
俺達がこうしてお互いの部屋を堂々と出入りしているレベル以上に、ウチの両親とリン家の両親がとにかく仲が良いのだ。
なにせ学生時代から父親同士、母親同士が親友だというのだから年季が入ってる。
だからこの夏休みの時期はしょっちゅうバーベキューやキャンプがあって、こうして買い物を頼まれることもしばしばだ。
「あーつーいー」
「………」
「あーつーいーよー」
「………」
「うー、あーつーいーよー!」
「レンうるさい!そんな暑い暑い言ってたら余計暑く感じるでしょ!」
「だってあちーんだもん!」
「私だって暑いわよ馬鹿!」
「俺の方が暑いわ!下ジーパンだぞ俺!」
「でも上はタンクトップじゃない!」
「そーゆーお前だってキャミにミニスカってすげえ涼しそうな格好じゃねえか!」
「そんなの知らないわよ暑いものは暑いんだから!」
「何だよそれ!」
「知らないわよ!」
「「う~~~~~~~~~!!」」
炎天下で少し溶けたアスファルトの上、二人睨み合う。暑さでお互い気が立っているのだ。
しかし、それ以上に。
「…………なあ、こうやって怒鳴り合うのをまず止めよう。余計に暑くなってきた」
「同感ね。なんか暑さが五割増しぐらいになってきた気がする」
「……あの、ごめんな……?」
「いや、あのこちらこそ……怒ってごめん……」
どちらからともなく謝り合う二人。
ショボい二人だった。
「お、スーパーだ。やっとクーラーが効いた空間に浸かれる」
「やたー」
前方にスーパーが見えてHPが回復する二人。
やはりショボい二人だった。
「よっしゃリン、スーパーまで競争だ!」
「うん!負けないわよレン!」
そして愚かな二人だった。
「ぜえ、はあ、ぜえ、はあ……」
「はあ、はあ、はあ………」
「何で……この炎天下の中あんな全力で走ってきたんだろう………」
「暑すぎて私達の頭がおかしくなったんじゃないかしら………」
「そうかもな……何故か俺達二人共笑顔で走ってたし……」
「不気味な光景だわ………」
「まったくだ……」
まあいいわ、とリンが仕切りなおして。
「早く肉と野菜買って帰ろ」
「うん」
そして二人で肉コーナーに移動。
田舎らしいわりと小さいスーパーなのだが、品揃えはなかなかどうして豊富である。かゆいところに手が届くラインナップだ。
ウチがバーベキューの肉と野菜を買い揃える時はたいていここのお世話になる。
「これと、これと、これ」
リンが肉を籠の中にポンポン放り込んでいく。
「次は野菜だな」
「そうね」
すぐ隣に並んでいる野菜達の前に移動して、いつものやつを買い物籠に入れていく。
「ねえ、リン。思うんだけどさ」
「何?」
「キャベツを初めて食べた人って凄いよね」
「そうね。普通こんな草の塊を食べようなんて思わないわね」
「偉大だよね~」
「そうね~」
ね~。ね~。と、二人で頷き合う。
「買うもの買ったし、帰ろっか」
「そだね」
そして俺達はスーパーを出た。
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