自我 逆巻く 白き闇に 今 掻き消された物語
ありふれた必然は この中には入れない

窓 歪んだ飛行機雲 切り裂かれた白いキャンバス
目指してたはずの絵に × 大きく描き足した
視界がだんだん狭くなる 足音すら遠ざかっていく
白い絵の具が 僕の存在も消していく

かつて見た絵が僕を追い詰める 「お前の居場所はここじゃない!」
日記は燃やして 鉛筆は折って スケッチ切り刻む
頭を掻き毟って 増え続ける手元の痣
苦しい 死にたい 消えたいって言葉も届かずに消えてく

何も感じない 何も描けない
ガラクタな僕を殺してよ
そして目を閉じて 耳を塞いで
何もかも無くなる様にと願う

まだ私はこの世に生を 受けてすらいない物語
残酷な神様が すぐゴミ箱投げ捨てた

ただひたすら歩き続け まだどこへも辿り着けずに
痩せこけた歌声は 自らへの鎮魂歌
終える場所を探してた 
見つけたのは破れたキャンバス
白い世界に 私の意識が倒れ込む

初めて触れた リアルの身体は
目も耳も無くズタボロで
でも一生懸命に繋がれてる鎖 外そうともがいてる
何度も塗り重ねた 轍 デコボコがたくさん
苦しい 生きたい 在りたいって叫びで
こんなにも溢れてる

何も届かない 何も通じない
けど私はここで生きてる
光の射さない場所だとしても 苦しんでるそれが生きた証だ

錆び付いたドア 歪んだ窓に
君の存在が流れ込む
あなたは誰なの 僕に今更
光を与えてどうしろと言うの
バラバラに砕け散ってた
パズルのピースを掻き集め
繋ぎ合わせて新しい
一枚の闇へ向かい合った

苦が犇めく白き闇を
今 迸る 黒い光
一瞬の偶然は すぐ消え去る流れ星

つい さっきまでここにあった
今 流れて何処かへ消えた
真夜中の暗い部屋 ただ白い絵見つめてた
頬を伝って落ちていく
描け 描きたい 描かなきゃいけない
闇に向かって 伸ばした手に何かが触れた

僕の右手と君の指先 触れ合ってそっと引き寄せて
そして目を開けてまた筆を手に取り
この世界から さあ
光が灯り 時間は消えた
不確かなものは何もない
だから今ここに君の全てを
焼き付けるようひたすらに描こう

今白い闇を切り裂き
鮮やかに羽が羽ばたいて
絵から舞い上がるカゲロウ どこまでもずっと飛んでいけ

窓から朝日が射し込んでる
僕らの苦〈いのち〉を照らしている

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

蜉蝣アイデンティティ

「苦しんでるそれが生きた証だ」

周水音贄さんの作品に宛てて歌詞を書かせていただきました。
https://piapro.jp/t/LQll

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投稿日:2020/05/02 19:33:35

文字数:991文字

カテゴリ:歌詞

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