「ごめんなさい」
この言葉が いつしか口癖
「ごめんなさい」
謝ることが当たり前
失敗するから
何も出来ないグズだから
「みんな」に謝らなきゃって

いつからだろう
呼吸をするように
「ごめんなさい」
悲鳴を押し殺すような
「ごめんなさい」
あれ？誰に向けて
何に謝ってるんだっけ

「ごめんなさい」
普通になれなくて
「ごめんなさい」
みんなと同じになれなくて
「ごめんなさい」
こんな私が生きてて
「ごめんなさい」

「ごめんなさい」
下を向いて何度も紡ぐ
「ごめんなさい」
理由がわからなくても紡ぐ
悲しい顔をした誰かが
無言で目の前に
膝をついて目を合わせた

目的地も相手も
分からない
「ごめんなさい」
何に対して？
「ごめんなさい」
なぜ謝ってるのか分からないのに零れるのはそれだけ

「ごめんなさい」
いいよの言葉は聞こえない
「ごめんなさい」
何に許されたいのかも分からない
「ごめんなさい」
いつからこの言葉で私を傷つけてたんだっけ

本当はね分かってるよ
その言葉紡げば
自分で自分を傷つければ
他人からの傷が痛くないから
自分を傷つけてこれ以上人に傷つけられないために
紡いだ言葉なんだって

「ごめんなさい」
傷がじわり
「ごめんなさい」
痛いよね
「ごめんなさい」
今日だけは私のために紡ぐよ
「傷つけてばかりでごめんね私」

「ごめんなさい」
何度も紡いできた言葉
「ごめんなさい」
唱える度に傷は増えるのに
「ごめんなさい」
傷つくことを恐れて傷を増やしてたんだ

「ごめんなさい」
傷つけた私へ
痛い思いをさせて
「ごめんなさい」
痛みが和らぐように祈って呟いた
「ごめんなさい」