暖かい日差しの中、微笑む先には
無邪気に笑う揺りかごの稚児
彼女は唄う 囁き唄う
どこか優しく どこか寂しい 子守歌を
心優しいあなたは力持ち
少々のOpiumで宝探し

「開拓前、まだ人々が希望に満ちあふれていた時代。花に笑み、愛に笑み、日差しに笑んだ優しい夢のような時代。」

あらこんにちは お隣のマリアンヌ
お宅のお嬢さん、大きくなったわね?
この前男の子と一緒に遊んでたわよ?
もうおませさんな年頃かしら
あらこんにちは ローズおばあちゃん
お庭のチューリップ、とっても綺麗だわ
この前旦那さんが、ナズナを植えてたわ
ほんと羨ましい限りですわ

私は只一つ祈る事
この静かで優しい平穏の旋律が止まぬ事
何も変わらずに青空に太陽が寄り添って
夜空には月と星が声も無く騒ぎ続ける事

「安らぎ、それは暖かい地上で得られる一時の楽園。
楽園、それはここではない、何処かに存在する仮初めの庭園。
そこでは全てが解き放たれ、後悔も、追憶も、善意も、悪意も、
全ては遙か彼方へ追いやられ、真の幸福を得るという。
しかし、悲しみの中から幸せを抜き出す生き物に
果たして楽園は必要なのだろうか。
疑念はやがて強い想念、そして口から漏れて言霊となり、
狂気を帯びた宿命が矢印の命の元、廻り出す。」

いつしか、現れる
胸元の消えない痕(sign)
奇形と痴形に覆われた目も当てられない暗黒時代(未来)
背けども、背けども、確実に形状を成し始めるそれは……

突き刺さる氷雨の刻、窓に映った闇
多勢に無勢 揺りかごの稚児
彼女は唄う 震えて唄う
永久に悲しく 永久に歪んだ 鎮魂歌(レクイエム)を
心優しいあなたも飛び出した
されどOpiumは掌返し……

「平穏も言葉を換えれば怠惰か……村を乗っ取った厄は薬と笑う。
笑えぬ掛詞を笑ったのはギラつく刃を抱く蛮族だけだった。」

私は只一つ祈る事
この静かで優しい平穏の旋律が止まぬ事
何も変わらずに青空に太陽が寄り添って
夜空には月と星が声も無く騒ぎ続ける事

私は只祈る……

薄汚れたボロを纏った母は揺りかごの稚児を抱き
赤く咲いた住み処を後にした。
一方を大きな邸宅へ 一方を小さな邸宅へ
流れそうな涙唇を噛み千切り耐えた
そして彼女は一人暗闇が招く、木々の海に消えた。

冷酷な月夜、胸元の呪詛はより一層強く輝いた。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

楽園~天体滅亡論・ヴァーゴ~

ママめっちゃ時間かかった!
てかメイコさんママて・・・

閲覧数:48

投稿日:2011/02/13 22:42:32

文字数:983文字

カテゴリ:歌詞

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