①
「マスター、おはよう!」
私は明るい声でマスターに言った。
「おはよう。ミク。」
マスターは私に笑いかけた。
マスター。私の飼い主さん。
全国に私は何人もいるのに、私を選んでくれたマスター。
私にとって、飼い主であり、大切な存在である。
私にどんな歌でも歌わせてくれた。
私の我が侭に答えてくれた。
この人は、私の正真正銘の飼い主だ。
だけど、そんなマスターも世間からは冷たい目で見られている。
いわゆる引きこもりで、ヲタクだ。
だけど、本当はすごくやさしいし、いい人だ。
下心もあるかもしれない。
でもそれ以上に、素直でやさしくてカワイイ。
だけど、そんなマスターにもいえないことがある。
最近、ちょっと体がだるいのだ。
風邪などもひかないVOCALOIDに・・・。
もしかして、ウイルスかな?
しかも私は自分の限界を感じていた。
ヒトと私は違う。
私とヒトは違う。
私は、こんな事考えるのはやめようとした。
マスターの前では、明るくなくてはならない。
「マスター、今日は何をするの?」
「今日はミクも休暇を取ったら?最近疲れてるみたいだし」
「え...マスターきずいていたの?」
座ってるマスターの顔は珍しく真剣だ。
「ああ。いつも明るいミクがなんで...って。」
「アリガトゥ。マスタァ。」
「だから休んでろって。」
私は、マスターにてを差し伸べる。
「何だよ」
「一人で寝るのは寂しいもの。一緒に寝よう?」
「ダメだよ。忙しいんだよ。」
もちろん、パソコンの中にいる私。
マスターとは画面越しに話している。
一緒に寝れるわけ無いけど...マスターだったら実現できる。きっと。
「じゃあ寝ないもん」
マスターはゲーム機をいじっていたが、私の声にてを止める。
「分かった。分かった分かった分かった!!!寝ればいいんだろ。」
マスターは、結構やさしい。
大きな眼鏡にぼさぼさの髪。
だけど、私にはかっこよく見えるんだ。
マスターはパソコンに手のひらをつける。
私には、その手が暖かく感じる。
「お休み。マスター。」
私の眠るのを待ちながら、マスターは手を外した。
*
(あれ?)
はっと目が覚める。
ここは、パソコンか。
データベースを確認。
(きゃああああ!!!!)
なんと、データベースの端のほうが黒くなって崩壊しているのだ。
(これって....)
前までの体のだるさと不安感を思い出した。
やっぱり....これが、限界か。
「おい、ミク、起きたか?」
「あ、え、マスターおはよう、、、」
マスターはゲーム機を静かに置く。
「なあ、ミク。全部話してくれよ。お願いだ。
「全部ってw私はマスターの全部を知っている。マスターは私の全部を知っているはずだよ?」
マスターは、目を見開いた。
「違う!!!違う違う違う違う違う違う違うッッッッッッッ!!」
「マ、スター...」
「うるさい!!ミクは俺に嘘をついてる!本当は、不安で不安でしょうがないんだろ?全部話せ!」
私は、マスターの怒り方に思わず後退りする。
「い、いや....そ、んなマスタ...嫌!!!!!!!!!!!!!」
私はしゃがむ。
アスター...こんなマスター嫌だ。
涙がにじむ。
「ミク、ミク、おい、みくううううううううっ!!!」
マスターは、不安と我慢が苦手。
頑張って我慢していたのに、ついに我慢の限界が来たのだろう。
「マスタァ...ごめん...ね、だけど...あああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
私は、自分のパソコンを強制シャットダウンした。
*
暗くなったパソコンの中。
「ひっ...ひっひっひっく....マ、スタアアアアアア...」
初めての起こったマスター。
もしかして、いけないことしたのかな。
ああ...これは生まれた時の宿命だったの?
決してヒトの真似事じゃない。
なんて言い切れない。
「マスター....」
私は、初めてマスターに会ったときの事を思い出していた。
パソコンの通販だった。
最初は、変態かなとか思ってたけど、ホントはすごく優しいヒトだったんだ。
最初に作ってもらった曲は切ない恋愛の曲だった。
最初に笑ったのはマスターが料理を作ったときだった。
卵がコゲコゲになって、卵焼きじゃなくてかわいそうな卵焼きになったんだ
私はそのすごくおいしく感じたんだ。
マスター。マスター。ごめんね。
嘘ついて、ごめん。
私は崩れかけている自分の何もかもを見つめていた。
②につずく
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