「あ~つ~ぅ~~・・・いぃ~・・・」
ジリジリと私を照らす太陽の眩しい光に、思わず自分ですら
聞き飽きたセリフを和室の畳へとうつ伏せに倒れながら自然と呟いてしまいうんざりする。
毎年この時期になると なんで夏なんてあるんだろう とか
なんで夏は暑いんだろう とか、どうしても余計な事を考えてしまう。
そんなことを考えながら寝がえりをうって仰向けになる。と、
私の頭上で呆れたように肩をすくめるマスターの姿があった。
「こらミク、女の子がそんなにダラダラしてたらはしたないよ?」
マスターも額に汗をかいているけど、
表情は涼しく口調だけで優しく私をしかる。
「マスター。だって暑いんですも~ん・・・。」
二人きりで過ごせるこのひと時に思わず私は顔を綻ばせそうになるも、
ガマンしてイジけたような顔を作って唇をとがらせる。
だけどそんなことをしてから、自分の行動が恥ずかしくて頬が赤くなる。
「まったく仕方ないなぁ。」
そんな私のことをマスターは微笑んで見ると、そのまま隣に座ってくれた。
少しドキッとした。同時にミニスカートが気になって下に引っ張ろうと手を伸ばした瞬間――
「ひゃっ!?つ、つめたっ!?もう・・・マスター!!」
頬にひんやりと冷たい感触を感じて反射的に上半身を起こす。
甲高い声を出してしまったことに今度は逆に顔が熱くなるのを自覚しながら
隣でクスクスと笑うマスターをキッと睨んで叱りつける。でもきっと・・・今の私は恐くない。
「ごめんごめん、でも可愛かったよ。」
謝りながら頬に当てた缶ジュースを私に差し出してくれる。
可愛いという言葉はいつまで経っても何回言われても慣れない。
マスターの表情 声 しぐさ・・・私はマスターが大好きで、
私を褒める言葉をマスターが紡ぐたびにドキッとしてしまう。
「? どうしたのミク?」
「・・・マスターのばか」
私の気持ちを理解してないマスターはポカンとして顔を覗き込んでくる。
恥ずかしくて顔を逸らしながら、ドンくさいマスターに小さく悪態をついた。
でも困ったように頭をぽりぽりとかく様子が可愛くて私はまた笑ってしまう。
唐突にマスターは言った。
「そういえばミク。また新曲を作ったんだ。歌ってくれるかな・・・?」
少し不安そうに小首を傾げて問いかけてくるマスターがとても愛おしくて―――
気付けば私は
マスターの頬に触れるだけのキスをしていた。
頬を押さえて目を白黒させるマスターはいつもより子供みたいで
ギュッと抱きしめてしまいたい衝動に駆られる。
それを胸の中にしまいこんで抑えてから、マスターに笑いかける。
「いいですよっ。じゃあ歌詞を見せてください。」
はじめてのキス。
はじめて私の好きな気持ちをぶつけた。
大好きな私だけのマスターに。
そんな夏の日。その日はいつまでもいつまでも――――
暑かった。
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