姉々様、姉々様
お耳が寒いんよ

姉々様、姉々様
頭に雪が積もるんよ

姉々様は貸してくれた
兎のような白い毛玉の耳あて

姉々様は貸してくれた
姉々様と同じ栗毛色した帽子

ひゅうるり　ひゅうるり　ひゅうるりと
風がないておるのう　涙も凍るような寒さじゃ
なあ姉々様　貸してもろうて　寒くなかと？
いつものように笑うた　お顔は吹雪で見えんかった


姉々様、姉々様
お手々が冷えるんよ

姉々様、姉々様
歩くん疲れてしもたんよ

姉々様と手繋いで
歩く白い世界2人きり

姉々様はおぶってくれた
「あんたをおぶっていると暖かくなるわ」

ひゅうるり　ひゅうるり　ひゅうるりと
風がなきやまぬのう　眼前も見えぬような吹雪じゃ
なあ姉々様　おぶってもろうて　重くなかと？
いつもと違い返さん　お顔は確かに凛々しかった

なあ姉々様、姉々様
どうしたとよ？
なあ姉々様、姉々様
歩くん疲れたんか？
そんならちいと休憩しようか

なあ姉々様、姉々様
お腹すいたのう
なあ姉々様、姉々様
どうして喋らんのや？
しんしんの雪に隠れてしもうでや？

なあ姉々様、姉々様
眠なったんか？
そんならお歌を
歌うてあげる
姉々様のそばに寄り添いながら