また客が来やがった。
「憐はまだ大丈夫か?」
「ああ、海飛はどうなんだよ」
「こっちは着込んだから大丈夫だ」
「こっちもガスマスクはまだ大量にある」
「燐は?」
「そろそろきついわね。いつまで全裸でいればいいの私。」
「なんだようるせえなお前らは こっちは余裕だよ」
「あと何マスあるの?」
「軽く200はあるでしょ、燐ちゃん。裸みたいわ、そろそろ」
「何言ってんのよ、こっちの気持ちも知らずにさ」
「瑠伽、それはエロい」
「あらあら、海飛興味あるの?」
こいつらは悠長だな。憐は思った。
「ってか、実来と芽依子はどしたよ」
「海飛、それ言わない」
俺は釘を刺しておいた。
俺らは図目(はかめ)家の6人兄姉弟妹(きょうだい)で、父の図目嶽歩(がくぽ)に監禁されている。
なぜかは知らない。
6男の俺(憐)は毒ガス地獄。
5女の燐は熱気地獄。
4女の実来は水流地獄。
3女の瑠伽は穴地獄。
2女の芽依子は針地獄。
1男の海飛は冷気地獄。
とにかく、俺らはそれに耐えなければならなかった。
「あいつの真意はなんなんだろうな」
海飛はいつもそうやってぼやいている。
「ところで、ほんとに実来と芽依子はどうしたんだよ」
そんな回想をかき消すように海飛が言った。
「返事はないけど生きてるからマイクが取り込まれたのかな?」
「あーもうなんだってのよー」
「あ、芽依子」
芽依子は激しく息を切らしていた。
「どしたんよ?芽依、そんな息切らしてw」
瑠伽は芽依子の事を芽依と呼んでいるが、なぜかは知らない。
「笑ってんじゃないわよ・・・いつもこんな感じじゃない」
芽依子は来客が来るたびに針が飛んでくる。その数は来客数とともに増えて、芽依子はそれを生まれ持った反射神経によって躱している。
「お前は正直今の今まで無傷なのが奇跡だよな・・・」
海飛が呟く。
俺は思った。実来はどうしたのかを。
実来は来客が来たら水流が押し寄せる。それは客数と共に高波になる。
実来は泳ぎが得意だ。マイクも超防水マイクだったはずだ。なのに・・・
「そろそろ死ぬ・・・」
「実来!?実来なのか!?」
俺は突然の声に叫んでしまった。
「うん。今回は何とか生きてこられたよ」
「実来ちゃん。無理しないでね」
「瑠伽って実来に言うときだけ優しいわよね」
「あら芽依、文句あるの?」
「だいたいあんたなんでため口きいてんのよ まあいいけど」
「俺、憐、燐、瑠伽、芽依子、実来。とりあえず今回も生存だな」
海飛が締め、時計を一瞥したら昼の12時半を指していた。
「とりあえず、お昼にするか」
俺が語りかけると、皆もそれに気付いたようで口々に頷く。
俺はこの時に思い始めていた。
このシステムにはいろいろと疑問点がある。
何故生かしているのか。
何故こんな面倒なことをしているのか。
何故俺らは監禁されているのか。
何故俺らなのか。
でももう関係ないんだと思った。
俺が養子になってから3年。監禁されてから1年。
もう材料は集まった。
さて、こっからどうしましょうか。
皆は俺が薄笑みを浮かべたのは知らないよな。
そう思って昼飯を呼び出すためのボタンを押した。
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