ーー届けて。
ーーひとつでふたつの、君まで。

夕焼け小道初めてのキス戸惑う僕を横目にみてた
君の綺麗な瞳にあえかな濁り
ひどく胸を刺した

約束の代わりにはにかんで挨拶の代わりに目配せた
君の気ままな仕草に捕らわれていく
形のないカルマ

まっすぐな言葉では足りなくて教科書を真似てまた愛をなぞる
どれだけ素敵に飾っても届かない恋のうた

相反してる二人求め合うけれど
水のいらない君はまるで砂漠の花
何年先も交わらないそのはずなのに
どうして好きにしかなれなくて

飴を一粒でもわからない君の愛した酸味の理由（わけ）が
喉にひりつく痛みを噛み締めている
今日も君が遠い

真っ白なキャンバスに浮かべてたまんまるいお月様の物語
絵筆を滑らせ気がついたこの中に君がいる

ねえ、何してる？窓の外輝くベガ
月はそれより近くだけどずっと遠い
さあ、何処へ行こう？動けない僕の代わりに
夜空の向こうから会いに来て

吐息を一つ落とすたびに僕が組み上げてきた全てを
ひとつ残らず君が崩してみせた

日暮れの部屋に君のため息手を手に乗せて近づく吐息
「どうしてそんな」問う暇もなく静かに僕は目を閉じた

触れ合うくちびるの彩（あや）

相反してる僕たちの巡り合わせ
それが運命なのか知る術もないけど
最初のキスが……くちづけが僕にそうと
どうにも思わせる

ねえ、愛してる。伝えれば他所を向いた
風に枝毛が揺れる君は砂漠の花
寂しそうに手招きをしてはくれない
それでも好きにしかなれなくて
それでも君以外みえなくて

どうして