★学パロ的なレンリンSS



昼休み、リンは突然俺のクラスにくると、
ジャンプして俺にダイブし、
器用なことに、俺の首に手を回して抱き付いた。

「レーンっ!!!」
「どわっ!!?」

俺はクラスのやつらと雑談していたのだが、そんなことはお構いなしで、
目を丸くして絶句しているクラスメイトの前で、
なす術もなくひっくり返った俺の上に乗っかって、
むちゃくちゃな注文を言いつけてきた。

「ヘアピン、とめて!」
「……はぁ!?」

見ると、確かにリンはいつもの白いヘアピンをつけておらず、
何故だか髪の毛は湿っていて、ぺしゃんこになっていた。
そこで俺は、いつぞやプールの準備をしてやったことを思い出す。
今日だったのかよ と、愚痴は自分の中だけでごちておいた。

「ったく。わぁったよ、ほら」
「ありがとー! レン大好きー」
「はいはい」

まったく心のこもっていない礼を受け流し、俺は体を起こしてリンと向かい合って座り、
細くて少しくせっ毛な髪の毛をまとめていく。
リンの髪のセットは俺がすることになってるけど、
まさか学校で頼まれる日がくるとは。

こういうことなんだろうか と、俺達の製造者に心の中で問い掛けてみるけれど、
もちろん答えは返ってこなかった。

「はい、できた」
「可愛い?」
「かわいいかわいい」
「心がこもってないー!」

ぷぅ と頬を膨らませた同じ顔に、
俺は、はぁ とため息をついた。
理不尽だよなぁ と思いつつ、
俺はリンに逆らえない。

「……よくお似合いですよ、お姫様」
「よろしい。じゃ、キスして」
「はいはい」

頬に口付けを落としてやると、
ようやくリンは満足したようで、
それはもう満面の笑みを浮かべて俺の額に口付けると、
教室から去っていった。
……何だったんだ、一体。

「……鏡音、お前さぁ……」

あからさまに引いている友人の声を聞いて、
俺は我に返る。
しまった。俺達は世間上、双子の姉弟ということになっているのだ。
それを人目もはばからずに、いつもどおりにべたべたと……
バレたら、もうここにはいられない。
冷汗が、背中をつたう。

「外国育ち?」
「……え?」
「髪だって、それ、地毛だろ?
 ……何かよくわかんないこともするしさぁ」

さっきのリンとのことだ と、俺は言葉を濁した友人の心中を察した。
さしずめ先ほどは居心地が悪かったに違いない。

俺はあいまいに笑って、以後のふるまいには気をつけようと思ったのだった。

……多分、できないだろうけど。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【小話】WITH -世界は僕らのもの-

ちょっと"ワールド イズ マイン"イメージで。
リンとレンは人目もはばからずいちゃいちゃしてればいいと思うのです。
でも本人達にその意識はない。いつもどおり仲良くしてるだけ。
それでもあえて比べるなら常識あるのはレンのほう。
「こうしてみたら?」って言われて攻めようとするとレンはヘタレる乙男です。
リンは何考えてるかわからないところがあります。
ある種中身は性別逆転みたいな。
そんなレンリンもいいと思います。
他に蓮とか怜とか鈴とか凛とか考えてみたいです。

学パロは、まだ二人がロボットとして未熟なため、学校に通うことになった、というストーリー。
何故か二人をボーカロイドと見抜いた緑の先輩とか、普段はマダオだけど歌うとすごい青の先生とか、常に二日酔いの赤い音楽講師とか、個性豊かであります。

こんなレンリン、どう?
好き? 嫌い? 好き? 嫌い?
嫌いじゃないけど 嫌いじゃないけど
生理的にムリ~\(^o^)/

閲覧数:3,537

投稿日:2008/08/11 23:17:02

文字数:1,058文字

カテゴリ:小説

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