逃げることにもなんだか慣れてきたなあ
うまく立ち回った未来永劫
追われることもなんだか慣れてきたなあ
すべてあの日の白昼夢に変えて

少し嫌いだった能動的人生の価値観
今もほんのちょっとだけ傷がチクチク痛んでは眠って
忘れたフリして人混みに隠れた

弾けるショーウインドウ
突き刺さる破片(かけら)拾って
相槌打つだけの現(うつつ)も集めて
戸惑う隙間越しから
追い憑かれた私だけ
アワセカガミの旧番目は、だれ？

癒えない日々もなんだか剥がれてきたなあ
いらない物だけをかき集めて
儚い日々もなんだか剥がれてきたなあ
すべてあの日の蜃気楼に重ね

少し不思議だった全自動的人生の崩壊
実はほんのちょっとだけ雨がしとしと降っては止んで
気付いたフリして灰色傘開く

鮮やか冴える黒
忍び寄った悪夢を背負って
我が物顔してる幻壊すの
不実な閉塞はただ
追い憑かれた私だけ…！
アワセカガミの惨番目は、だれ？

気休めぐらいの現実は飽和
不安定な地平線を塗り潰して
機械的に廻るマワル時間
見えない解らない消えたい

動かない午前2時
鏡に写った雨音
これでいいの？今の私は…

霞んでいく目の前
瞳に刺さった虚構も
滴る朱さえ現実に染まって
戸惑う隙間越しから
追い憑かれた私だけ
アワセカガミの拾番目は、だれ？