マダム・メリーゴーランド、第二話です!!
「さ、着いたわよ。」
リンドにいわれ、ふと斜め上を見た僕は、普通の遊園地にはないものをみた。
城があった。
ディ○ニーランドにある城みたいだ。
ただ、ディ○ニーランドは儲かっているからあんなのを作れるわけで、この遊園地がそこまで儲かっているようには
みえない。
「な・・・・・・。」
「私の城よ。」
僕が動揺してると、リンドは説明した。説明といってもこれは私の持ち物だとしか説明していないが。
「さ、入りましょ。」
リンドに手をひかれ、僕は城の中へと入っていく。
城の中は、行列が並んでいた。
皆、一睡もしてないようなどす黒いくまを目の下に作り、うつろな目でどこかをみている。
ただ、最後尾の男が、リンドをみると、いきなりひざまずいた。
「おかえりなさいませ。リンド様。」
その言葉に、並んでいた男たちが次々にひざまずいていった。
「おかえりなさいませ。」「リンド様、今日もまたお美しいことで。」
僕はその男達の態度と言葉に驚いた。
「なんだ・・・・!?これは・・・・・・!?」
リンドは、男たちに平然と、
「ただいま。」
と、笑みで返した。
「おいリンド・・・・。これはどういうことだ・・・・!?」
僕の言葉に、列にならんでいる男たちがものすごい鬼の形相で、
「貴様!!様をつけんか!様を!」「敬語をつかえ!」「リンド様をなんだと思ってるんだ!」
と唾を飛ばしながら怒鳴った。
僕はあまりの勢いに後ずさりした。
「こら、やめなさい。」
「・・・・・・・・・・」
城のホールは、リンドの一言で静まり返った。
そして一人の男が、「すみませんでした・・・・・」
というと、ほかの男たちも、
「すみませんでした。」「すみません」「ごめんな、兄ちゃん」
と口ぐちに言い出したので、とりあえず、
「い、いや、いいよ。びっくりしただけで別に怒ってはいないよ。」
といったら、
「ありがとうな。」「ありがとう」
など礼をいってきた。
「で、あなたかなえたい願いある?」
「え・・・・・・?」
突然の質問に僕は少し戸惑った。
「いや、ないというわけじゃないけど・・・・・・。」
「その願いかなえたい?」
「は・・・・?」
「だから、その願いかなえたい?かなえたいのなら、列にならんで順番を待ちなさい。順番が来たら願いをかなえてあ
げるわよ?」
僕は、言葉の意味が理解できなかった。そして、列のほうを見た。
列を見ると、軽く200人は並んでいる。
「いや・・・・いい。」
「そう?人生最大のチャンスよ?」
「だって、こんなに並んだら願いをかなえる前に餓死するよ。しかもあし痛くなりそうだし。」
「ふーん・・・・?・・・・まぁいいわ。無理に押し付けないし。」
「じゃあ、この男たちの願いをかなえてるから、しばらく遊んできなさい。願いをかなえるのにあきたら迎えにいくか
ら。」
「え・・・?遊ぶってこの遊園地で?」
「そうよ。好きにのっていいわ。たまには肩の力をぬいてめいいっぱい遊びなさい。」
「・・・うん。わかった。少し遊んでみる・・・・・。」
「じゃ、気が向いたら迎えに行くから。いってらっしゃい。」
「ああ・・・・・・。」
僕は城の扉を開け、遊園地に走りでた。
その後、僕は狂ったように遊んだ。
ジェットコースター、お化け屋敷、観覧車も久々にのった。
(遊園地ってこんな楽しかったけ・・・・・・?)
「ふぅ・・・・・・。」
しばらくして、僕は遊び疲れてベンチに座り込んだ。
すると、目の前にリンドが現れた。
「どうだった?久々の遊園地は。」
リンドは笑みでいった。
「・・・・たのしかったよ。遊園地ってこんな楽しかったのかって思うぐらい。」
「ふふ、それはよかったわね。」
「ああ・・・・・。」
「疲れたでしょう?メリーゴーランドに乗りましょう。」
そういって、リンドは僕の手を引っ張ってメリーゴーランドに連れて行った。
「あのゆりかごにしましょう。」
そういってゆりかご型の乗り物を指差し、僕を引っ張って行った。
僕とリンドがゆりかごに乗った時に、メリーゴーランドが動きだした。
ゆりかごは、随分とつめたかった。夜の夜気で冷えたのだろう。
メリーゴーランドのゆれで、僕はうつらうつらしてきた。
「眠い・・・・・・・。」
「じゃあ、寝ちゃいなさいよ。私の膝を枕にしていいわよ。」
僕は少し考えたが、眠かったのでリンドの膝を枕にして横になり、そのまま闇にしずんでいった。
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