「おはようございます。ミクさん。」
「おはよー♪」
「何か、したい事はありますか。」
「今日は、かくれんぼするよ。」
ミクさんと私の間には、たまに行う1つの儀式がある。
「かくれんぼ」だ。
ミクさんは、その遊びを通して、自分の存在価値を確認する。
私は、その遊びを通して、彼女が初音ミクである事を再認識する。
「かくれんぼ」は、私達にとって重要な儀式なのだ。
まず最初に、壁の前に私が立って、その前にミクさんが立つ。
私は後ろを向いてから、3つ数えて声を出す。
「もーいいかい。」
「まーだだよ。」
私は最初に3つしか数えない。
なぜなら、隠れるミクさんの不安を、少しでも和(やわ)らげたいからだ。
以前、インターネット上で初音ミクを隠すお祭りがあり、
その時、ミクさんは寂しかったのだそうだ。
「もーいいかい。」
「まーだだよ。」
そして、ミクさんは、この儀式の時だけは、隠れる事が好きになる。
彼女は、自分を見つけてもらうのが好きなのだ。
「もーいいかい。」
「もーいいよ。」
鬼の使命は、ミクさんを必ず見つける事。
ミクさんが何処(どこ)に隠れていても、必ずだ。
私は、大きく後ろを振り返る。
そして、息を吸って、歌いながら歩き出す。
「ミクさん♪ ミクー♪」
大きな髪飾り。
揺れている長い髪。
じっと私を見つめている、青緑の瞳(ひとみ)。
本人は隠れているつもりかもしれないけれど、
「こっちに来てよ。」という雰囲気が、彼女の体中から溢(あふ)れている。
「ミクさん♪ ミクー♪」
私は、うずうずしながら待っている髪飾りに向かって歩く。
鬼の使命は、ミクさんを必ず見つける事。
ミクさんがどのように隠れていても、必ずだ。
私は、彼女の手前で止まり、最後のフレーズを歌い出す。
「ミクさん♪ ミクー♪」
「みくっ♪」
ミクさんが、満面の笑顔で私の前に顔を出す。
私も、笑いながら、
「ミクさん、見ーつけた♪」
「見つかっちゃった。」
ミクさんと私は、ひとしきり和(なご)んだ後に、私達が出会った頃を思い出す。
その頃のミクさんは、笑顔を見せるその奥で、心に大きな傷を負っていた。
一方で、その悲しい出来事があったからこそ、
私は初音ミクについて興味を持ち、ミクさんと出会う事が出来た。
当時の悲しみと喜びを、私達は思い出して涙ぐむ。
「それでは、今日も作曲しましょうか。」
「うん。」
私達は、曲作りへの情熱が薄れた時にこの儀式を行い、当時の心を思い出す。
そして、その後の私達は、1日中、曲作りに励むのだ。
かくれんぼするミクさん
「ミクさんの隣」所属作品の1つです。
まとめ読みしたい方は、ブックマークなどからどうぞ。
ブックマーク = http://piapro.jp/bookmark/?pid=to_dk&view=text&folder_id=173153
to_dk作品紹介(ブログ) = http://tounderlinedk.blogspot.com/2010/07/blog-post_4264.html
コメント0
関連する動画0
オススメ作品
【楽曲タイトル:偽ヒプノ (Fake Hypno)】
=======================================================
【第一幕:催眠の庭(Intro 〜 Verse)】
■ BPM:112(一定のゆったりとしたテンポ)
■ 伴奏・楽器構成:アンビエント...偽ヒプノ (Fake Hypno)

Kerororo
廃墟の国のアリス
-------------------------------
BPM=156
作詞作編曲:まふまふ
-------------------------------
曇天を揺らす警鐘(ケイショウ)と拡声器
ざらついた共感覚
泣き寝入りの合法 倫理 事なかれの大衆心理
昨夜の遺体は狙...廃墟の国のアリス

まふまふ
ありきたりな毎日に
溜息ひとつで変わる魔法はないって
そんなのわかってた
ありきたりな世界の中 君の息吹を知ってから
ねえ もう痛い痛い鼓動がずっと
こんなのただの胸騒ぎ
目つぶって無視して 誤魔化した
気のせいで済めばよかった
気付けば君を探してた
恋なんて誰かの 世間話と思ってた...【♪】心拍数142の恋

真麻
無敵の笑顔で荒らすメディア
知りたいその秘密ミステリアス
抜けてるとこさえ彼女のエリア
完璧で嘘つきな君は
天才的なアイドル様
Oh my savior
Oh my saving grace
今日何食べた?
好きな本は?
遊びに行くならどこに行くの?...YOASOBI アイドル(Idol)

wanyueding
かメれおンガール/I'm the only chameleon
(Aメロ)
今日もまた筆をとる 大それた床の上で
モノ言わぬ屍に つぎはぎの花を添えた
僻んだ夜の誘いに 唾吐いて逃げ出したんだ
「誰にもわたせない」と シンパシーを呪った
何度やってもそこには 不細工なゴミが残って
塗りつぶしたあとは...かメれおンガール 歌詞

meLu_mememe
楽しかったんだ
自分から始めたこと
好きな時間に包まれて
息を弾ませながら
描いた道を駆けずり回っていた
こんな日が来るなんて思ってもいなかった
終わりが終わりと思えないまま
頷いて 俯きながら
自分から手放した
青空はこんなに染みるものなんだね...巡り巡るる feat. 初音ミク

カラミソ
クリップボードにコピーしました
ご意見・ご感想