さてさて~久しぶりですが、早速いきます!
※注意
・カイメイ風味があります。・時代設定が、若干ズボラです。
・あくまで、私の想像です。キャラクターイメージが違う、というところがあるかもしれません。
・KAITO→海斗、MEIKO→芽衣子、となっています。
・自己設定の、架空のものが出てきます(例えば、妖怪だとか)。

以上のことが、OK!という方だけお読みください。






暗号─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─
異国より来たりし、踊り子の少女の音。

のみめ゛ちさかるんうゆのけら、ふねねん゛、けけうめやはあと。
よな、めひう゜ひにほすらぬぜひやとに、むねうさすのも。


─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─
「う~ん‥‥」

メモを畳の上に置いたまま、足を立てて座っている海斗。

「ねぇ、できそう?」

その隣では、鈴が暇そうに寝っ転がって、足をパタパタしながら、せんべいを口にくわえている。

「う~ん‥‥」

「さっきからそればっかりじゃないのよぉ!他に言うことないの?」

ずいっと詰め寄ってきた鈴に、彼は、

「だ、だって‥分からないもんは分からないし!そんなこと言うんだったら、鈴ちゃんだって考えてよっ!!」

初めて鈴に口答えした海斗に、驚いた鈴が、じぃっと海斗を見て、

「あんた、少し気が強くなった?」

「‥え‥‥?」

鈴の言葉に、意味が分からない、という顔をする海斗。

「ほら、芽衣子さんって子がいなくなってから、すぐ私たちと会ったんでしょ?最初はヘタレな感じだったけど──」

その言葉に、海斗は苦笑したものの、次の言葉で、はっとした。

「妙に一生懸命だったり、必死だったり‥何も関係ない人を助けたり‥‥弱虫じゃなくなったっていうか‥‥」

そう言って、鈴は逆立ちをしてから、ひょいと立ち上がる。

「強くなったね、海斗」

にこっと笑った鈴の表情に、海斗の視界では、芽衣子の笑顔が重なっていた‥‥。

「ん?どうしたの?海斗?」

じっと自分の顔を見てくる海斗に、びくっとする鈴。

「ん‥ううん‥‥なんでもないよ」

「‥‥‥」

うつむきがちな、なんとも切なげな表情に、何を思ったのか、鈴は、近くにおいてあった箱を、さっと取って、

「ね、ねぇ!!かるた‥でもしよ!!気分転換に!」

「‥‥でも‥うん、分かった」

少し気が進まないようだったが、鈴は、それを紛らわすためか、いろはかるたを、順番に並べ始めた。

「それにね、私が思いついたんだけど、『あいうえお順』っていうのもあるんだ」

いろはかるたを並べながら、楽しそうに話す鈴。

「で、これが、その『あいうえお順』!紙に書いてみたの!」

そう言って、得意げに話す鈴が取り出した和紙を見た瞬間、かるたの一枚を取ろうとしていた海斗の手が止まった。

「そ、それ!よく見せて!!」

「え、あ、うん!」

鈴から和紙をもらうと、しばらくその紙を考え事をするように見ていた。

「‥鈴ちゃん、紙と書くもの、ちょうだい‥!」

突然の海斗の要求にも、鈴は即座に対応した──先祖がヨーロッパに住んでいたので、インクさえあれば、すぐ使える『羽ペン』というものがあったためだ。

「ありがとう、鈴ちゃん!」

それ以降がまたすごい。目で、いろはかるたの文字を素早く追うと、凄い勢いで、羽ペンで、『いろはにほへと‥‥』と五文字ごとに書き写し始めた。

「‥‥‥!!」

鈴でも、その勢いは、目で追うのがやっとのスピードだ。後から来た蓮も、それに圧倒されている。

海斗は、全て書き終えると羽ペンを無造作に、鈴の方へ投げ、鈴の書いたものと、いろはかるたの文字の書かれた紙を、左右に、バンッと勢いよく置いた。

しーんと静まり返る室内。

「あ、あのぉ‥海‥斗‥‥?海斗くーん?」

まるで、二枚の紙と、にらめっこしているような、海斗の瞳に、蓮は、恐る恐る声をかけようとする。さらに──。

「おい、海──」

「ちょっと黙ってて!!」

それを言葉で強く制されたもんだから、話しかけられたもんじゃない。

──‥異国の少女‥鏡‥‥音‥‥いろはかるた‥‥その踊り子の考えた『あいうえお順』‥そして、謎の言葉‥‥。

「‥‥っ!!分かったぞ‥‥!!謎が解けた‥‥!!」

「ま、まじか!?嘘だろ?」

「本当だよ、蓮君!僕の推測が正しければ、この暗号は解けるはずだ!」

「‥‥‥!!」

今までにないぐらい自信に満ちた海斗の表情に、蓮の疑念は不思議と消え去っていた。

──この目‥マジだろ‥‥嘘じゃない‥‥!

「あ、あの‥!どうして分かったの?どこにも出かけてないし、鍵になるようなものは何も‥‥っ」

鈴がそう言いかけると、海斗が、

「ありがとう、鈴ちゃん!君がいろは歌を教えてくれたおかげで、謎が解けたよ!」

「‥え‥‥?」

「やっとだ‥やっと‥めーちゃんに‥会える‥‥!」

そうつぶやいた海斗の瞳は、蓮と鈴が、見たこともないぐらい、生気に満ちていて、期待の輝きが目に見えて取れるようだ。

──めーちゃん‥!待っててね‥‥!!

海斗は、この場に居ない芽衣子に向かって、そっと、強い笑みを浮かべていた。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

番凩・12 act1 色は匂えど‥‥

はい!期間が空きましたが、やっとヒントに結びつけるところができました!
海斗君、がんばってね!めーちゃんまで、あと少しだよ!

さて、次回は、種明かしになると思うので、見るときはそれを知った上でみてください!また、私事ですが、学校行事の関係で、次回投稿は遅くなると思います><;
いつになるか分かりませんが、よろしく~ではでは~♪

閲覧数:358

投稿日:2010/04/18 16:50:43

文字数:2,170文字

カテゴリ:小説

  • コメント1

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  • enarin

    enarin

    ご意見・ご感想

    こんにちは!、続き、拝読させて頂きました。

    海斗君、名探偵モード入りましたね!。やはり鈴ちゃんが鍵でしたか!。いろは唄、あいうえお順、いろいろな”ヒント”が1つに結ばれつつありますね。

    そして名探偵モードに入ったと同時に、ダメダメ海斗から、イケイケ海斗君にモードチェンジ!。

    じっちゃんの名にかけて!、謎は全て解けた!、真実はいつも1つ!、犯人はこの中にいる(←これはちょっと違いますね)

    続き、楽しみにしております!。

    P.S:学校行事、この時期は1年分の準備で大変ですね。頑張って下さい!。

    2010/04/16 12:06:48

    • 愛夢☆ソライト

      愛夢☆ソライト

      >enarinさん
      ども!ご拝読ありがとうございます!

      そうです、鈴ちゃんの登場には、めーちゃん探しの意味を持たせていました^^海斗も、やっと名探偵モードへチェンジ!蓮君も圧倒されっぱなしです^^;

      なぜか、非日常では、感覚が発達しているんですよね?。めーちゃんから見たら、いつも、まさにヘタレ!て感じですけど、いざというときは強いです!

      『じっちゃんの名にかけて!』『真実はいつも1つ!』←某探偵漫画の名探偵君たちの決め台詞ですね、分かります^^;

      さて、次は、ちょっと種明かしになりますので、見るときは注意してくださいね?では?♪

      2010/04/18 16:59:59

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