寒さの中の温もり

投稿日:2010/12/25 22:17:47 | 文字数:1,926文字 | 閲覧数:208 | カテゴリ:小説

ライセンス:

テトさんとマスターで、クリスマスのお話。短めですが、久しぶりにテトさんの話が書けて楽しかったです♪気がついたら、テトさんが嫉妬してました← 
余談ですが、ピアプロに雪がちょっと感動してしまいました(・ω・*)

前のページへ
1
/1
次のページへ
TEXT
 



「はぁ…寒いですね」

「明日は積もるらしいよ」


しんしんと静かに雪が降る中、マスターとテトは白くなった道を並んで歩いていた。
そこに人気はなく、雪を踏みしめる音がやけに響いて聞こえる。


「そうですか…手袋、持ってくるべきでした」

「だね…なんでつけてこなかったの?」


手を擦り合わせながら、テトは後悔の念を呟く。
マスターはマスターで、しっかりとその手に手袋を着用していた。


「こんなに長引くとは思ってなかったので…マスターの優柔不断さを、少し甘くみてました」

「う…。いや、どれも美味しそうだったからさ」


リンとレンを家で待たせているため、マスター自身もさっさと決めるつもりではあった。
しかしいざ店に入れば彩りのある沢山のケーキに目移りしてしまい、選ぶのに予定以上の時間を費やしてしまったのである。


「悩むだけ悩んで、結局ショートケーキですか」

「これなら、皆で食べられるでしょ?」


悩み抜いた末にマスターが選んだのは、ありきたりな答えであった。
だが全員の好みを考えれば、無難な判断ともいえる。


「皆で…ですか」

「どうかした?」


白い息を吐きながら、テトは小さく呟くように言った。
その様子に違和感を覚えたマスターは、テトに顔を向けて尋ねる。


「別に、どうもしないですよ」

「何で怒ってるのさ」


怒り―というより不機嫌そうな彼女に、マスターは疑問を投げ掛ける。
それに対してテトは歩みを止め、少しの間をおいて口を開いた。


「………マスター」

「…なに?」

「私、結構嫉妬深いんですよ」


僅かにこちらを見上げなが、そう言う彼女の言葉を反芻させる。
そうして何かを察したマスターは、自分の不謹慎さに後悔を覚えた。


「あー………ごめん」

「…もういいですよ。マスターは、優しい人ですから」


テトもまた同じように、自身の感情に嫌気を感じていた。
あの双子にさえ嫉妬してしまう己の独占欲に、呆れる程に。


「…手、貸して」

「?…どうぞ」


テトがそんな思考を巡らしていると、不意にマスターから声を掛けられる。
普段の彼女なら用件を聞く所だが、油断していた為に躊躇なく手を差し出した。

「はい、手袋」

「…片手だけですか、ブカブカですし」


差し出されたテトの手に、マスターが自分の手袋を着ける。
少しばかりマスターの手が大きいために、先の方までは指は届いていなかった。


「俺も寒いからね。だから…」


そう言ってマスターは手袋を外した方の手で、テトのもう片方の手を握った。
触れた指先から伝わる冷たさを感じながら、そのまま自らのポケットの中へと招き入れる。


「こうすれば、暖かいでしょ?」

「…マスターの手、大きいですね」


自分よりも大きな手に包まれ、そこから温もりがじんわりと広がっていく。
寒さから守られた空間の中でテトが指を絡めて握り返せば、それに応えるようにマスターも指に力を込めた。


「そうかな?平均的な大きさだと思うけど」

「………」


マスターが笑いかけるが、テトからの返事はなかった。
急に押し黙るテトに、マスターは疑問を色を見せる。


「…どうかした?」

「いえ、その…」


いつになく歯切れの悪いテトに、表情に浮かぶ疑問の色は濃くなる。
暫くしてテトは、口ごもらせながら静かに言った。


「…は、恥ずかしくて…死にそうです………」

「…そっか、それは重畳」

テトは頬を染めながら、視線をマスターから逸らす。そんなテトに、マスターは満足せうな笑みを浮かべた。


「マスター…私をからかってませんか?」

「別に、そういうつもりはないんだどね」


ムッとした顔でテトが睨むが、マスターは涼しげな顔それを受け流す。
たじろぎもせずに、マスターはテトを見つめ返しながら言った。


「普段じゃ見られない反応を、楽しむのも一興かな…と」

「………」


マスターはテトに微笑みながら、そう言葉を続けた。
頬の赤みは更に増して、テトはまた口を閉ざしてしまう。


「………怒った?」

「…い、家に………」


探るように尋ねるマスターの言葉には答えず、テトが小さく口を開く。
視線は未だに逸らしたままで、僅かに俯きながら言葉を続ける。


「家に着くまで…ですからね」

「…かしこまりました♪」

耳まで赤くなったテトを見て、マスターは先程よりも満足そうな顔する。
そしてマスターがテトの手を引くように、歩みを再開させた。















(君のその表情が、なによりのプレゼントです)


文をメインに、色々と創作中。
基本テトさんと鏡音が大好きです^^*(もちろんボカロ全般好きです)

よく色々な作品を巡り歩きしてます。一行詩に出没しているので気軽に絡んでくれると嬉しいです♪

最近は絵師さんのイラストから文を書いてみたいと思っていたり…。
また、僕の書いた文からイラストを書いて頂けたら嬉しいなと思ってます←


ツイッター始めて見ましたが、使い方がよく分からないww
よければお立ち寄りください♪
http://twitter.com/Defectiveprodu

pixivでも作品を投稿し始めました、良ければご覧ください^^
http://www.pixiv.net/member.php?id=2245288

もっと見る

作品へのコメント0

ピアプロにログインして作品にコメントをしましょう!

新規登録|ログイン
▲TOP