「KAITOお兄様、MEIKOお姉様」
 「何だい、ルカ?」
 「少しお話があるのですが、よろしいですか?」
 「構わないわ」
 そういってルカに話すことをうながすMEIKO。
 「話というのは、最近の雅彦君の様子についてです。雅彦君の様子が最近おかしいのはお二人も感じられていると思いますが」
 話を切り出すルカ。
 「そうだね、いつもと比べて表情が明るくないし、何か考えごとをしている所をよく見るし、以前と比べて明らかに自分の部屋にこもる頻度が増えたからね。おかしいってのはよく分かるよ」
 「はい、原因については、現状の雅彦君の周囲を考えると、沢口さんのことである以外に考えられません」
 「でも、沢口さんは検査入院なんでしょ?」
 疑問をていするMEIKO。
 「確かにそれだけかもしませんが、雅彦君はそれ以上のことが起こると考えているのではないでしょうか」
 「確かに、まだ入院されているということは、本当に検査入院だけじゃないかもしれないな」
 「それで、雅彦君に何か聞いたのかい?」
 「はい、最初にリンとレンが聞いて、その後に私も聞きましたが、雅彦君はいずれの時も話そうとしませんでした」
 「やっぱりね…」
 その時の雅彦の様子が容易に想像できたのか、うなずく二人。
 「雅彦君は頑固な時は本当に頑固なんだよね」
 「そのとおりです。話というのは、そんな雅彦君から話を聞くためにはどうすれば良いか相談なのですが」
 「でも、リンとレンが聞いて、ルカが聞いてどちらも駄目だったのなら、私たちが聞いても話してくれる可能性はあまり高くないと思うけど…。それでも、私たちが聞いた方が良いかしら?」
 そのMEIKOの言葉に、考える一行。
 「やっぱり、ミクに聞いてもらうのが一番可能性が高いのかな。ミクも、雅彦君の様子がおかしいことには気がついていると思うから、僕たちがうながさなくても雅彦君に聞くと思うけど」
 「ただ、問題なのは、ミクが聞いたとして、それでも雅彦君が話さない可能性は決して低くはないのよね。そうなると、もうどうしようもなくて、雅彦君自身が口を開いてくれるまで待つしかないわね」
 「ですわね…」
 頭を抱える三人。ボーカロイド一家の中では、隠しごとはしないという不文律があり、雅彦をふくめて、基本的にそれを全員が守っている。しかし、雅彦だけはまれにこのような状態になるのだ、一人の悩みごとは家族全員で解決する。そうやって色々な苦難を乗り越えてきたことは悩みごとを聞き、考え、解決してきた当事者の一人である雅彦も十分に分かっているはずなのだが…。三人は雅彦がそのことを理解していないとは思っていなかった。
 「ともかく、私たちは雅彦君を見守りましょう。ひょっとすると、ミクが悩みごとを聞き出すかもしれないし、雅彦君が自発的に話してくれるかもしれないわ。現状ではそれが最善ね」
 「他に手段がとれない以上、仕方がないね」
 「分かりました」

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初音ミクとパラダイムシフト4 3章16節

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投稿日:2017/03/09 22:11:11

文字数:1,234文字

カテゴリ:小説

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