貴方が笑ってくれる事が僕らの存在で
存在を証明するのは、奏でる事。
それは瞳を開ける事を学ぶ前から得ていた事実

マスターの声がすきで
あなたの指先がすきで
マスターの為になるのが、すき。
気が付いてみたらアイス以外にすきなものは
全てに、マスター、がついていて

笑う声から、悩む声まで
こんなにしあわせで、泣きたくなる音は他にないんです
今日も無事に此処へ帰ってきてくれた
それが、唄うのと同じくらいに嬉しくて

ねぇマスター
何があったんですか?
そんな悲しい顔をしないで下さい
貴方が手を離さない限り
僕の特等席は揺らがないんですよ
なんでも言ってください
そうだ、何か唱いますよ
すきな曲にしましょうか

笑う声も悩む声も、だいすきです
でも、どうかどうか悲しまないで
僕にできる事は多いといって下さるけれど
そんなこと、ないと思うのです
ねぇ、なにを悲しむのですか
どうしたら笑ってくれますか

いつも以上にがんばります。
どの歌がいいですか?
あれも、これも歌いますから。
ねぇマスター、歌わせてください。

ああ、マスター、そんな
僕らの唄が、貴方を追い詰めるなんて
日に日に消えてゆくマスターの音
一刻と薄れるマスターの思い

僕らに、届かなくて
僕らも、届けなくて

例えば、愛だけで生かせるのと同じくらいに
僕らの唄で笑顔を浮かべてもらえるのだと
そう思っていたのです

存在をのせて奏でる音が
如何に力を、もつのか

幼い僕らは知らなかった


ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

奏での威力

ボーカロイドをずっと大切にして
歌うたびに笑顔になってくれてたマスターが
もし、肺や喉の病気になって歌われることが
苦痛に感じる様になってしまったら
ボーカロイドはどうなるんだろう…と思いまして。

閲覧数:241

投稿日:2008/01/22 20:22:14

文字数:635文字

カテゴリ:その他

オススメ作品

クリップボードにコピーしました