そして今日も私は月を見ながら彼を待っていた。
今夜は満月でやけに眩しかった。

そういえば、初めて会った時も満月だったっけ。

「やぁ、お嬢さん。」

待ち望んだ彼がやってきた。

「今日も素敵な夢をみせて。」

これまでのように私は彼にお願いした。
だけど、彼は何も答えない。
いつもなら私がこういえば素敵な夢をみせてくれたのに・・・。

「お嬢さん、素敵な夢も今日で終わりさ。お代はもちろんわかってるよね。」
「え、ちょっと、何?どういうこと?」

私は彼の言った言葉がすぐには理解できなかった。

今日で終わりとか、お代とか、何の話なの?

「その瞳の奥の鮮やかな夢、全部全部もらっていこうか。」

彼は私が困惑しているのにもかかわらず、
どんどん話を進めていく。

「みじめな顔だね。でも、これが現実。君が選んだことだろう?」

満月の強い逆光のせいで彼の顔は見えなかったけど、
彼の声にはいつもの優しさなんてなく、
妖しい何かを含んでいた。

「モノクロの世界へようこそ。」

彼がそういった瞬間、私の目の前は真っ暗になった。

結局、最後まで私の思考は彼の言葉に追いつかないままだった。







  これはお嬢さん、夜中眠れずにいるのかい?



              それなら僕が魔法をかけてあげようか。



ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【自己解釈】夢喰い白黒バク【part3】

Nem様の夢喰い白黒バクを自己解釈してみました。


細かく分けているので文字数は少ないですが
全3partです。
これはそのpart3です。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。
感想など残していただけると嬉しいです。

【偉大なる本家様】http://www.nicovideo.jp/watch/sm14926860

閲覧数:392

投稿日:2012/01/21 21:32:34

文字数:569文字

カテゴリ:小説

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