「私の恋を、悲劇のジュリエット、にしないで……、」


途端に出て来た言葉を思わず口に出してしまった。言った後に少し後悔。何が悲劇のジュリエットよ、夢見るのもいいところだわ。


『ミクは、ロミオとジュリエット、好きなの?』


不意に後ろから声をかけられて固まる。あんな恥ずかしい台詞を聞かれてたなんて、穴があったら入りたいと云うのはまさしくこういう時に使う言葉だと思った。


「え、ち、違うわよ……。第一私、ロミオとジュリエットのストーリーなんてさほど知らないもの」

『へぇー?そうなんだ、でも今ジュリエットとか言ってたのに?』


あはは、と歯を見せて無邪気に笑う彼女はマスターと云う名前を持つ女。私は、この同性の彼女に、恋愛感情を抱いていて、まさしく私の恋は悲劇に近いもの。


「それは……っ」


もどかしくも、口がもごる。何か言わなきゃいけないんだけど、口からは何も出てこない。何かが出てくる気配すらなく、ただ口の中が乾いていくことを感じられるだけで。


『あっ、分かった!ミク、ジュリエットみたいな恋がしたいんでしょう?』


「……、は?」


『そかそかー、ミクも女の子だもんねー。でもさジュリエットって悲劇だよ?どうせするならシンデレラのがよくない?』


馬鹿な彼女。私はとっくにジュリエットみたいな悲劇の恋をしているのに。ジュリエットみたいな恋をしたいじゃなくて、このままジュリエットみたいな悲劇になりたくないだけ。だけど、このままじゃ私は悲劇のジュリエットになってしまうから。きっとこんな悲劇から私を連れ去れることが出来るのは、世界で唯一人。

 ──貴女だけ。













(連れ出してくれますか?)
(私のお姫様な王子様)

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【序章】絵本の中の少女達



やっちゃったよ、とうとう。
ロミシンパロ小説/(^O^)\またしてもやらかしちゃうあたしwちなみに彼女の名前はマスター。主と云う意味じゃないからNE☆

ノーマルにしようか悩んだんだけど、書いてたら百合に..あれあれあるぇ?的なね(´_>`)気が付けば百合にwwひゃあぁ

つーわけで、長編になると思うんでこれから、ツラツラ書いて来ますねノチ

閲覧数:237

投稿日:2009/07/19 15:41:41

文字数:740文字

カテゴリ:小説

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