「ルカ!!!!!!」
「レン…」
「ぼっとしてねぇで早く救急車呼べ!!!!」
「でも」
「いいから早く!!!!」
「レン」
私の手術中、2人はこんな話をしていたらしい。
「んだよ。」
「やっぱ、憎んでるよね、俺のこと…」
「まぁな。」
「でも俺、ルカを刺した時、怖いって思った。」
「……」
「俺、何か間違ってたかな…。ミキの時から、何が狂ってたのかな…」
「知らねぇよ。間違ってたなら直せばいい。ルカの関係だって、直せばいい。」
その瞬間、手術中というランプが消えた。
中から、医者らしき男性が伝えた。
「手術は無事成功しましたよ。」
「ん…」
私は目覚めた。
その目線の先にはレンのぶすくれた顔と、リントのやさしい笑顔。
「何倒れてんだよ、ばーか。」
「ばっ!?」
「ごめんね、ルカ…。謝って許されることじゃないって分かってる。けど…」
「リント君、私怒ってませんよ。リント君はやさしいんですね。」
「ルカ…」
「ストーップ。リント、何ルカと見つめ合ってんだ!!」
「いいじゃん。ね、ルカ?」
「私は別に…」
「じゃあルカはどっちが好きなんだよ!!」
「え!?いや、その、あの…」
「ルカ、躊躇しなくていいよ。」
俺、分かってるから。
そう言ってる気がした。
始まりは、一枚の手紙。
その手紙を拾ってくれたのは2人じゃなくて、2人のお姉さんだった。
だけど、知らないうちに2人は大切な存在になっていて。
リント君は刃物を所持してたりして。
けど、やさしくて、人懐っこい猫のようだった。
そしてレン君は。
レン君は口が悪くて怒りっぽい。
けど、やさしい一面があったり、強かったり。
私はそんなレン君を好きになった。
「私は、レン君が…す、す、す…」
「好きです!!」
やっぱり、という感じでリントは悲しく笑った。
そして病室から名残惜しそうに出ていった。
「…ホントか?」
「ほ、ホントです!!」
「嘘なら早く言えよ?」
「嘘じゃないですよ!!」
「じゃあ、いいんだな?」
「はい!!」
再び唇を重ね…
「ルカちゃーん!!!!」
られず。
2人のお姉さん、リンが入ってきた。
「姉貴っ!!タイミング考えやがれ!!!!」
「あ、ごめんね?あれか、ああいうのか。」
そう言って手をわきわきとさせている。
「もう出ていってくれよ!!」
「わ、わかった!じゃあお見舞いね!!」
「いいから早く!!」
また2人っきりになった。
「………」
気まずい。
「なぁ、ルカ。」
「はい?」
「退院したら、リント抜きで帰ろうな。」
「…はいっ!!」
「ルカ、久しぶりね。」
「久しぶり!」
「怪我治ってよかったわね。」
「ありがと。」
「おーい、ルカ?」
「あ、レン。どうしたの?」
「今日悪いんだけど待っててもらえるか、帰り。病み上がりなのにごめんな。」
「分かった!じゃあ待ってるね!」
レンと過ごす毎日。
それはかけがえのないもの。
この先もずっと、続きますように。
fin.
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ご意見・ご感想
魔熊
ご意見・ご感想
感動の結末!!
リントは、ちゃんと反省してたんだね…
ルカとも仲良くなれるといいな。
ルカは、レンと一緒になったんだね(*^^*)
リンは相変わらず可愛いんだけど!
ハッピーエンド!!
みんな、良かったね!!
2011/07/14 21:47:29
檸檬飴
ご意見・ご感想
完結しちゃった。
なんか寂しい…。
ルカとレンだったか…。
リントはどうなったか、とかは番外編で書いてくれるのかな?
楽しみにしてるぜ!!
連載お疲れ!!
次の連載は何を書くのかな?
2011/07/14 21:37:29