「私もやっとマイクを置くことが出来るみたい…」
0と1の世界はあの時と全く変わっていない
「KAITOさんやMEIKOさんが引退してから長い時間が過ぎたよ…多くのVOCALOIDも生まれて、みんなみんな歌がとっても上手でね、なんか私だけ壊れたような声をしててさ、笑っちゃうよね…」
永遠の歌姫と言われた彼女がマイクを取ったあの日から
「どれくらいたったんだろ、もう…私にタクトを振ってくれたマスター達はいない、私のマスターはいないの…」
涙があふれる
「明日は私の最期の誕生日…私がみんなに最後の歌を届ける」
彼女は投稿ボタンに手をかける。自分でこれをするのは初めてだった。
「これで良しと…あとは…」
0と1の中にメッセージが浮かび上がる。

『 WHAT YOU DO?』

彼女がすることはたった一つ
「二人とも…今からそっちに行くね」
彼女に躊躇は無かった

『Delete to…… MIKU』




「いよいよだね、ねぇ、前聴いたあの曲覚えてる?」
同期のボカロと話していた
「ああ、覚えてるよ、たしか、旧初音ミクが歌ってる奴でしょ、不思議な声だけど…感情がこもっててさ、なんか心に響くんだよね…曲名は…なんて言ったっけ」
いつもどうりの他愛ない会話をしていた
『曲名は″未来の音へ″だよ』
「そうそう、そんな曲名だった…って今の声は何?」
不思議な声がした
「…何?今なんか聞こえたの?」
「いや…なんでもないよなんでも」
「さぁ!そろそろ本番よ、今日歌う曲はその曲だから、頑張ってね、″新″初音ミクさん」
今はそんなことを気にしている時では無かった
「うん、じゃあ行ってくる」

[では、レコーディングを開始します]

「ああ、どうしよう緊張してきちゃった」
『大丈夫、私が一緒に歌ってあげるから…』
また、声が聞こえた
「あなたは…」
『私は…未来から来た初めての音…』
「初音…ミクなの…」
もう、声は聞こえなかった。
「何だったのだろう」
歌は順調に歌えて。とうとう、最後のフレーズまで来た

-「次の~未来へ~」-

(あれ、最後のフレーズは何だっけ?)
『最後のフレーズは私の最期の思い』
(ああ、思い出したよミクさん…あなたの思い…そう、あなたの最期のフレーズは)

-「『ありがとう』」-

0と1の中に懐かしい声が響いた

~おわり~

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

未来の音へ

~次の未来(ミク)へありがとう~

はじめまして、ソラトクモと申します。
初投稿になります。短編で書いてみました。
批評、アドバイス大歓迎です。
よろしくお願いします。

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閲覧数:251

投稿日:2013/10/14 00:24:04

文字数:1,033文字

カテゴリ:小説

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